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ガル級潜水艦 (Gal-class submarine) は、イスラエル海軍で1970年代後半から2000年代初頭まで運用されていた通常動力型潜水艦である。西ドイツ、HDW社製の206型潜水艦をイスラエル軍の要求に基づいて改修した派生型に相当する。HDW社による形式分類では540型潜水艦となる。 == 概要 == イスラエル海軍では1950年代末から1970年代にかけてイギリス海軍が第二次世界大戦当時に運用していたS級潜水艦、T級潜水艦を輸入して運用していたが、ガル級はイスラエル海軍の潜水艦としては初めて、イスラエルの要求仕様に基づいて設計された潜水艦となった。ガル級は政治的理由から西ドイツではなく、イギリスのバロー=イン=ファーネスにあるで建造が行われた〔。 艦級および1番艦に付けられた"ガル"の名称はヘブライ語で"波"を意味する語で〔globalsecurity.org Gal 〕、イスラエル海軍の潜水艦"タニン"(INS Tanin)〔イスラエル海軍で"タニン"の名を冠する潜水艦はガル級およびドルフィン級にも存在するが、この"初代タニン"はイギリス海軍のS級潜水艦スプリンガー(HMS Springer)をイスラエルが1959年に輸入したものである。〕の艦長として第三次中東戦争に従軍し〔submarines.dotan.net S-CLASS 〕1968年から71年までイスラエル海軍潜水艦部隊の司令官を務め、その後ガル級の開発プロジェクトを統括することとなった海軍士官アブラハム (アイヴァン)・ドロールの息子"ガル"の名前に由来する。 ガル級は1970年代後半に就役し、その後も継続して近代化改修が繰り返された。イスラエル紙マアリヴによれば、3隻のガル級潜水艦はいずれも1982年の作戦(ガリラヤの平和作戦)において活動していたとされる〔。 ガル級にはこれらのクラスの潜水艦としては珍しく、6基の収納式対空ミサイル発射管を装備していた(後に改修により取り外された)〔http://www.whq-forum.de/cms/39.0.html〕。1983年には魚雷発射管から発射可能なハープーン対艦ミサイルを運用可能にする改修が全艦に行われた。1987年から88年頃には従来のMk37魚雷の近代化改修型であるMk37Eの運用を始めた〔。1994年から95年頃には各種センサーや射撃管制装置を改修する延命改修が行われた〔〔http://submarines.dotan.net/gal/〕。 1990年代末になると同じHDW社によって開発された新型のドルフィン級潜水艦の配備が始まり、ガル級は順次退役した。1隻は解体処分され、2隻はHDW社に送り返されて新たなユーザーが探された。しかしユーザーは見つからず、2007年に1番艦"ガル"はイスラエルのハイファに戻され、現在イスラエル海軍博物館に展示されている。ガルの船体には見学者が内部を見られるよう切り欠きを設けるなど手を加えられ、船体全体が地上展示されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ガル級潜水艦」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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