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キミア キミア(羅:chymia;英 chymistry)とは、錬金術と化学を現代的な価値観から恣意的に分離しない、数世紀にわたり伝搬した伝統的な知の形態を指す〔William Newman & Lawrence M. Principe, “Alchemy vs. Chemistry: The Etymological Origins of a Historiographic Mistake,” ''Early Science and Medicine'' 3 (1998), 32-65.〕。歴史上、おもに二つの大きな構成要素がある。ひとつは、鉛や鉄といった卑金属から金や銀といった貴金属を生成しようとした造金術(gold-making)である。もうひとつは、あらゆる病気を治す普遍医薬を探求し、ひいては不老長寿を目指す長命術(prolongation of life)である。 == 古代ヘレニズム世界 == 通常、ヘレニズム世界におけるキミアの起源は、紀元後初数世紀の古代エジプトの都市アレクサンドリアに求められるだろう。もっとも古いキミアにかんする史料は、西暦300年頃書かれたとされる二つのパピルスである。古代の冶金術から発達したキミアの本来の目的は、鉛や鉄などの卑金属を「変成」(transmutatio)して、金や銀といった貴金属をえようとするもので、理論的な根幹をギリシアの哲学者アリストテレスの四元素(火、空気、水、土)理論においていた。アリストテレスは、自然の万物はこれら四元素だけからできていると考え、四元素自身はたがいに「変成」が可能であるとした。そこから、キミスト達は自然の事物を元素の段階まで分解して変成させれば、まったく別の性質をもった物質がえられると考えた。とくに、似たもの同士の物質間での方が、まったく違うもの同士よりも変成しやすいと考えられたので、卑金属を貴金属に変えることは比較的に容易であろうと思われたわけである〔ヒライ「蒸留技術とイスラム錬金術」(キンドル版、2014年)〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「キミア」の詳細全文を読む
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