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キヤト氏[きやとし] キヤト氏(Qiyad)は、モンゴル部のボルジギン氏族から分かれた一支族で、カブル・カンに始まる氏族集団。キヤト(Qiyad、乞牙愓)というのはキヤン(Qiyan、乞顔)の複数形であり、その意味は「奔流」を意味する〔佐口 1968,P27〕。チンギス・カンの一族であるキヤト・ボルジギン氏はその一支族である〔村上 1970,65-66〕。 ==起源== カブル・カンの一族がキヤト氏を名乗るはるか以前から、「キヤン」の名は存在した。伝承によると、以下のように記されている。 〔佐口 1968,P19〕〔宮脇 2002,p39〕 この伝承は突厥の始祖説話にも似ているが、『元朝秘史』その他のモンゴル史料に見られない、独特な記事である〔佐口 1968,P20〕。このモンゴル民族の祖先たちがエルゲネ・クン山脈から出て、幾多の氏族に分かれていくのであるが、次第に「キヤン」という名称は廃絶され、忘れ去られていった〔佐口 1968,P27〕。しかし、カブル・カンが全モンゴル民族を統一すると、その子孫たちは古伝承にちなんで、「キヤン(Qiyan、乞顔)」という栄誉ある氏を名乗って多くの氏族集団を作り、結束して「キヤト(Qiyad、乞牙愓)」と称すようになった〔村上 1970,65-66〕。一方、チャラカイ・リンクゥの一族はネグス氏と称し、その孫アンバガイ・カンの時にタイチウト氏に代わったが、この2つの氏族がボルジギン氏族の2大氏族となり、3代にわたってモンゴルのカン位を独占した。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「キヤト氏」の詳細全文を読む
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