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キュクレウス()は、ギリシア神話の人物で、サラミース島の王である。河神アーソーポスの娘サラミースとポセイドーンの子〔アポロドーロス、3巻12・7。 〕。一説によると大地から生まれたとされ、半身半蛇の姿であったといわれる〔リュコプローン、111。〕。カリクロー、グラウケーの父。 娘のうち、カリクローはスケイローン(一説にはケイローン〔ヒュギーヌス、14。〕)の妻となり、娘エンデーイスを生んだ〔プルタルコス「テーセウス伝」10。エンデーイスはアイギーナ島の王アイアコスの妻である。〕。グラウケーはアクタイオスの妻で、テラモーンの母〔レーロスのペレキューデース(アポロドーロス引用、3巻12・6)。一般的にテラモーンはアイアコスとエンデーイスの息子。〕。 神話によると母サラミースはポセイドーンによってサラミース島に連れ去られ、そしてその地でキュクレウスを生んだ〔シケリアのディオドロス、4巻72・4。〕。島の名を母にちなんでサラミース島と名づけたのはキュクレウスである〔パウサニアス、1巻35・2。〕。キュクレウスはサラミース島の人々を悩ませていた大蛇を殺して王となったが、男子が生まれなかったので、死に際してキュクレウスを頼って亡命して来たテラモーンに王国を譲った〔アポロドーロス、3巻12・7。〕。 島にはキュクレウスの聖域があったとされる〔パウサニアス、1巻35・2、36・1。〕。キュクレウスはアテーナイでも崇拝され、アテーナイがメガラとサラミース島をめぐって争ったとき、ソロンは密かにサラミース島に渡ってキュクレウスとペリペーモスに犠牲を捧げ、サラミース島を占領したといわれる〔プルタルコス「テーセウス伝」10、「ソロン伝」9。〕。 ストラボンによれば、サラミース島の古名はキュクレウスないしスキロスにちなんで、キュクレイア島、あるいはスキラス島と呼ばれた。またストラボンはヘーシオドスの説についても触れている。それによるとサラミス島の大蛇はキュクレウスが育てたもので、キュクレウス蛇と呼ばれていたが、島に害をなしたのでエウリュロコスによって島から追い払われたのち、女神デーメーテールによってエレウシースに受け入れ、従者となった〔ストラボン、9巻1・9。〕。神話学者カール・ケレーニイはこの大蛇をキュクレウス本人と考えている〔カール・ケレーニイ『ギリシア神話 ―英雄の時代』3・1。〕。なお、パウサニアスが伝えるところによると、サラミース海戦のおりに1匹の大蛇が現れたとされ、神託はその大蛇がキュクレウスであると告げたという〔パウサニアス、1巻36・1。〕。 == 脚注 == 〔 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「キュクレウス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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