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キュリー温度(―おんど、、記号)とは物理学や物質科学において、強磁性体が常磁性体に変化する転移温度、もしくは強誘電体が常誘電体に変化する転移温度である。キュリー点(―てん、)とも呼ばれる。ピエール・キュリーより名づけられた。 == 強磁性体のキュリー温度 == 強磁性体におけるキュリー温度は、その温度以上では強磁性の性質が失われる温度(例えば鉄では770℃)である。キュリー温度よりも低い温度では磁気モーメントは磁区の内部で部分的に整列している。温度がキュリー温度へと上昇するに伴い、それぞれの磁区内での磁気モーメントの整列(即ち磁化)は減少する。キュリー温度以上では、物質は純粋な常磁性として振る舞い、磁気モーメントが整列した磁区は消失する(消磁)。 キュリー温度以上の温度領域では、磁場を印加すると磁化に常磁性的な反応が現れる。しかし強磁性と常磁性の交じり合った物質では、磁化には印加磁場の強さに応じたヒステリシス曲線が表れる。キュリー温度での磁化の消失は二次相転移であり、理論的に磁化率が無限大に発散する。この困難を解決するためには、臨界指数を用いることができる。 この効果の応用例は記録メディアの一種である光磁気ディスク (MO) である。光磁気ディスクのデータの消去や書き込みにこの磁性体の特性が用いられている。MO以外にも、ソニーのミニディスクや、一般には普及しなかったCD-MOなどにも応用がされている。 他の使用例としては温度制御があり、Weller社のWTCPTのようにはんだごてや、より一般には温度制御が求められる一部の分野で用いられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「キュリー温度」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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