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キュリー=ワイスの法則 : ウィキペディア日本語版
キュリー・ワイスの法則[きゅりー わいす]

キュリー・ワイスの法則キュリー・ワイス則)とは、強磁性反強磁性キュリー点以上の温度における磁化率の振る舞いを説明する法則である。ピエール・ワイス (Pierre Weiss) が1907年に発表した分子場理論により求めた。
キュリー・ワイスの法則は
:
\chi = \frac

で表される。ここで
:\chi磁化率
:''C'' は物質固有のキュリー定数
:''T'' は物質の絶対温度(単位はケルビン
:\theta_p常磁性キュリー温度(単位はケルビン)。
これは、常磁性体におけるキュリーの法則
:\chi = \frac
を拡張し、\theta_pの分だけ平行移動させたものととらえることができる。
この\theta_pは常磁性キュリー温度や漸近キュリー温度、漸近キュリー点などと呼ばれ、強磁性から反磁性へと転移する温度である強磁性キュリー温度''Tc''とはやや異なった値を示す。具体的には一般に、強磁性体では\theta_pは''Tc''よりも少しだけ大きい値をとり、反強磁性体では負の温度となる。常磁性キュリー温度\theta_pは、磁化率の逆数1/''χ''のグラフを低温側に延長して、''x''軸と交わる (1/''χ'' = 0) 温度として求めることができる。なお、強磁性体や反強磁性体では、強磁性キュリー温度やこれよりも低い温度においては、その物質は自発磁化を有し、キュリー・ワイスの法則は適用できない。
多くの物質(特に強磁性体)において、キュリー・ワイスの法則は常磁性キュリー温度付近の磁化率を説明することができない。これは、キュリー・ワイスの法則が平均場近似に基づいているためである。代わりに臨界指数\gammaを用い、以下の式により臨界挙動を取り扱うことができる。
:
\chi \sim \frac

しかし、T \gg T_cの温度領域においてはキュリー・ワイスの法則が依然有効である。
強磁性体や強磁性体においては、その磁化率を測定し、キュリー・ワイスの法則よりキュリー定数などを求めることで分子磁場や磁気モーメントの大きさ、交換エネルギーなどを決定することができる。
==誘電体のキュリー・ワイス則==
強誘電体でも同様に
:
\epsilon = \frac

が成り立っている。ここで
:''ε''は誘電率
:''T''は物質の絶対温度(単位はケルビン
:''T0''は常誘電性キュリー温度(単位はケルビン)。
一次相転移をする強誘電体は一般に、常誘電性キュリー温度''T0''は強誘電性キュリー温度''Tc''よりも小さい (''Tc > T0'')。
二次相転移をする場合は一致する(''Tc = T0'')。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「キュリー・ワイスの法則」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Curie-Weiss law 」があります。



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