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クスシヘビ : ウィキペディア日本語版
クスシヘビ

クスシヘビ (薬師蛇、''Zamenis longissimus'') はナミヘビ科に属するヘビの一種。ヨーロッパに生息し、無毒である。全長は2 mになり、タイリクシマヘビモンペリエヘビと並ぶヨーロッパ最大のヘビの一つである。
ギリシア・ローマ神話におけるアスクレーピオス、またそれに由来するシンボルなどに用いられ、文化・歴史的にも意義のある種である。
== 形態 ==

孵化時は全長30 cm程度だが、成長すると110-150 cm、大型個体では200-225 cmになる。滑らかな鱗は金属光沢を与えている。
幼体・亜成体は首に黄色い模様を持ち、ヨーロッパヤマカガシに似る。体色は薄緑から茶緑で、背面には2対の暗い斑点が尾まで並び、縞模様を構成している。頭部にも明瞭な暗い斑点があり、1つは後頭部にあり馬蹄形、もう1つは第4-5上唇板から眼、そして後方へと繋がっている。
成体は一様な体色をしており、黄緑・緑褐色である。体側には白い縁取りのある鱗が規則的に並び、金属光沢を際立たせている。特に体色の薄い個体では、体側に2本の暗い縞が見えることがある。腹部は黄色から乳白色。虹彩は円形で、琥珀色から黄土色をしている。黒化個体やアルビノ、赤化個体や暗褐色の個体も野生に見られる。
体色は雌雄であまり変わらないが、体は雌より雄の方が大型になる傾向にある。ドイツの個体群における調査では、雄の最大体重が890 gに対し、雌は550 gであった〔Böhme 1993; Gomille 2002〕。また、他のヘビのように、雄は体に対して尾が長く、尾の基部の幅が広い。
体列鱗数は23(稀に19、21)、腹板は211-250、尾下板数は60-91で、肛門板と共に左右に分れる〔Schultz 1996; Arnold 2002〕。腹板の縁は鋭く、登攀能力を向上させている。
寿命は25-30年〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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