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クリアストリーム(:en:Clearstream)は、世界に2つしかない国際決済機関の1つである。前身は有価証券配送センター(Centrale de Livraison de Valeurs Mobilières, 通称 "Cedel"または「セデル」)。クリアストリーム事件は、資金洗浄に利用されやすい電子決済機関の性質を露呈した一例である。 セデル時代から中枢部に大きな変化はない。会長エドモン・イスラエル、役員には以下の金融機関から送られた代表者。パリバ、UBS、インテサ、チェース・マンハッタン、ドレスデン銀行、バークレイズ、ルクセンブルク国際銀行(Banque Internationale a Luxembourg)など。ルクセンブルク国際銀行は、後述の匿名口座を1995年の口座リストで最も多く309も開いていた〔次点はシティバンク271、3位はバークレイズ200、4位はリヨン信用金庫で23、5位は野村証券の12口座。〕。 ==沿革== 日付がない記事も時系列にしてある。 1970年9月28日、クリアストリームの前身セデルがルクセンブルクで11カ国の66大手金融機関により設立される〔ドイツ証券取引所 Clearstream: Successfully Handling Property Rights for 40 Years 28. September 2010〕。株主ごとに株式の保有は5%未満に制限された。 手形交換制度をファックスマネーで運営。IBM社からパートタイムでコンピュータを借りて決済を処理。〔エルネスト pp.37-38.〕 1971年、ニクソン・ショックが起きる。1972年10月、加入銀行371行に達する〔エルネスト p.35.〕。1973年、日米欧三極委員会発足。 IBMコンピュータを自社で購入。摂氏18度に空調を維持する必要。壊れるとブリュッセルにあったIBMの欧州本部へ書類をつめて処理に向かった。コンピュータをIBMにこだわらなくなってから、税務署あがりの職員エルネスト・バックスとその上司ジェラール・ソワソンが、独自に情報プログラムを組んだ。これは後に何度か修正されたが、大枠はクリアストリームになってからも利用されている。取引される銘柄などは国際標準化機構でコード化された〔エルネスト pp.130-131.〕。コンピュータのメーカーはさておき、情報技術面でIBM社とは常に好意的な協力を受けていた〔エルネスト p.39.〕。 世界が石油危機にあえぐ中、1979年の4月26日、5月3日、5月10日の3日間、アメリカで謎のデフォルトが起きた〔フォーブス (雑誌) The Day the United States Defaulted on Treasury Bills May 26, 2011 @ 09:16 AM〕。 1980年、エルネスト社内ナンバー3になる〔エルネスト p.40.〕。3月27日に銀の木曜日。世界的にダイヤモンド・貴金属・石油の価格が下落。しかし同年1月にはロンドンで金相場が一時850ドルを突破している。 1980年代から、世界の経常収支は毎年700億から1000億ドル超の赤字を計上する〔赤字国の赤字は黒字国の黒字である。世界中の経常収支は総和がゼロになるはずだが、公表されている額を足すと赤字である。 :伊藤元重 『ゼミナール国際経済入門』 日本経済新聞出版社 2012年 p.152.〕。 1983年10月までメリルリンチからのディーラーであるジョー・ガラズカが代表取締役を務める〔エルネスト p.46. p.53. p.55. p.85.〕。 役員の圧力で幹部は外人中心に採用されるようになる。他の人事はユーロクリアと比べ回転が早かった。 1983年5月19日、エルネスト、突然解雇される〔エルネスト pp.57-58.〕。復職させるために根回しをしていた上司が7月28日に変死〔エルネスト pp.68-72.〕。 1985年9月、プラザ合意。また、1986年から1995年まではウルグアイ・ラウンド〔ウルグアイは統一教会が経済支配を進めていることで知られる。 Sapio 8(8-13) p.30.など〕。 1989年、ルクセンブルク議会がマネーロンダリング法に反対する。 1990年以降、UBSの責任者であったアンドレ・リュシが代表取締役を務め、匿名口座を濫発する〔エルネスト pp.132-137.〕。 1991年8月8日、財産保全処分下にあった国際商業信用銀行の口座の1つで資金の戻し手形操作が決済され、特定の債権者だけが資産を回収。セデルのマイクロフィッシュより後年発覚。 1995年5月以降、定款を変更し会社形態を3分割。法律で従業員が600人を超えるときは取締役会に従業員代表を加えることになっていたが、分割により人数を下回り、代表は送れなくなった。〔エルネスト pp.226-227.〕 2000年1月、ドイツ証券取引所と決済事業を対等に合併してクリアストリームに改編。以後、ドイツとルクセンブルク両国の当局から監査を受けるようになる。証券決済所〔日本だと株のほふりや先物の日本証券クリアリング機構がある。〕としては両国の中央銀行からも統括される〔後述の匿名口座が統括に必要かは疑問である。〕。 2010年6月、ルクセンブルク中央銀行と共同出資でルクセンブルク決済機関を設立〔CustomerHandbook 15 June 2015〕。12月にはスペイン決済機関のイベルクリアとの共同事業「レジス-TR」を立ち上げた。両者はデリバティブ取引の決済記録所として、欧州市場インフラ規則の標準報告義務を決済システム各参加者が自身の注意すべき点だけ参照できるように工夫した〔OTC derivatives trade repository REGIST-TR starts operations 13 December 2010〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クリアストリーム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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