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クリイロコミミガイ : ウィキペディア日本語版
クリイロコミミガイ

クリイロコミミガイ(栗色小耳貝)、学名 ''Laemodonta siamensis'' は、有肺目オカミミガイ科に分類される巻貝の一種。西太平洋暖海域に分布し、内湾干潟の満潮線付近に生息する。和名は「貝」を省略し、クリイロコミミと呼ばれることもある。

==特徴==
成貝の貝殻は殻高8mmほどで、オカミミガイ科としては小型だが、''Laemodonta'' 属の中では大型種である。殻は濃褐色・薄質でラグビーボールのような紡錘形をしている。殻には細かい螺肋が走り、横縞模様に見える。さらに螺肋上は低い顆粒も並ぶが、これは肉眼ではわかりにくい。通常は成貝の殻頂は浸食され欠ける。殻口は紡錘形で外側には張り出さず、内側に2歯・軸唇と外側にそれぞれ1歯がある。同属種にしばしば見られる臍孔や微毛はなく、縫帯も弱く、周辺の角張りもない。同属のウスコミミガイ ''L. exaratoides''、マキスジコミミガイ ''L. monilifera'' 等は本種と似ているが、これらの同属種の殻頂は通常欠けず尖る。また生息環境も異なる〔奥谷喬司編著『日本近海産貝類図鑑』(解説 : 黒住耐二)2000年 東海大学出版会 ISBN 9784486014065〕〔環境省生物多様性情報システム 陸産貝類・淡水産貝類レッドリスト 付属説明資料 平成22年3月 〕。
伊勢湾以南の南日本、朝鮮半島南部、台湾、東南アジアまで、西太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布する〔〔。学名の種名"''siamensis''"は「シャムに棲む」の意である。
内湾の泥質干潟や、その陸側のヨシ原マングローブ域に生息し、満潮線付近の泥に半ば埋まった石の下に潜む〔。大潮の満潮時には短時間水没する程度の高さに生息し、生体の周囲にはカタツムリのものに似た紐状の糞も見られる。同所的にはナラビオカミミガイウミニナフトヘナタリカワザンショウ類、ユビアカベンケイガニ等が見られる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「クリイロコミミガイ」の詳細全文を読む



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