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クルクミン (curcumin) はカレーのスパイスであるウコン(ターメリック、学名''Curcuma longa'')の黄色色素。ポリフェノールの一種であるクルクミノイドに分類される。ケト型とエノール型の2つの互変異性体が存在し、固体および溶液中においては後者の方がエネルギー的に安定である。 ホウ酸と反応して赤色の化合物ロソシアニンを生じるため、ホウ素の定量に用いることができる(クルクミン法)。 鮮やかな黄色を持つことから、天然の食用色素として用いられる。食用色素としての表示例としては、ウコン色素、クルクミン、ターメリック色素、などのように表記され、伝統的な用途例としては、漬物、水産ねり製品、栗のシロップ漬、和菓子などがあげられる。 また、昨今では、クルクミンを配合したドリンク剤や健康食品(栄養補助食品)などにも、広く活用が図られている。 フィトケミカル(植物が由来の化学物質で、植物が自分達の身体を守るために作り出す自己防衛成分-野菜の色素や辛味成分)に分類され、上記のようにポリフェノール類の一種でもあり、抗酸化物質としても知られている。 == 化学的構造 == クルクミンは幾つかの官能基によって構成されており、ポリフェノールの芳香族環が、2つのα,β-不飽和カルボニル基で連結された構造をとっている。ジケトン体は安定したエノール型もしくは、α,β-不飽和カルボニル基中で容易に脱プロトン化したエノラートを形成し、マイケル反応の良い受容体になって求核付加を受ける。 この化学的構造は、1910年に、J. Miłobędzka、Stanisław KostaneckiおよびWiktor Lampeによって同定された。 また、クルクミンは米国環境保護庁(EPA)の化学物質分析方法(EPA Method 212.3)において、ホウ素の定量試薬として利用されている〔Methods for the Chemical Analysis of Water and Wastes (MCAWW) (EPA/600/4-79/020) 〕。 さらに、クルクミンはフリーの状態では、水に難溶性であり、可視光や、紫外光、弱アルカリ条件下で分解され易い性質を有するため、利用できる範囲を拡大できるように、各種の改善手法(配糖化、補助剤添加、ナノミセル化、超細粒化など)が試みられることが多い。 なお、ウコン色素としては、上掲写真のように鮮やかな黄色が有名であるが、酸性~中性条件の溶液中では明るい黄色を、弱酸性(アルカリ)条件では赤褐色(赤茶色)を呈す。 アルコール溶液(またはジエチルエーテル溶液)でも鮮黄色となるが、紫外線下では青緑色の蛍光を発する。また、上記のようにホウ酸(ホウ素)により、転移してロソチアニンを生じて赤色を呈する。 熱には比較的安定であるが、耐光性(特に紫外線)には弱く、微量の金属イオン(特に鉄イオン)の共存でも暗色化する傾向にある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クルクミン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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