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クロアシネコ : ウィキペディア日本語版
クロアシネコ

クロアシネコ(Black-footed Cat)は南アフリカ共和国ナミビアボツワナ、そしてわずかにジンバブエにも分布する、小型の野生の猫である。カラハリ砂漠の半砂漠地帯やサバンナ地帯に点在する。平均的な体重は1.6kgで、現存する猫の中で最も小さいものの一つである。メスは1.3kgなのに対してオスは1.9kgくらいになる。体長は36-52cmで、加えて13-20cmの尾を持つ。肩高は約25cmである。体の大きさと比べて頭が大きい。毛はシナモンのような薄茶色から黄褐色で、はっきりした黒い斑点がある。肩からは筋が流れ、脚と尾のところで輪になっている。これらの斑紋はオスよりメスのほうがはっきりきている。名前が示唆するように、足の裏側は真っ黒である。歯の本数は28で、他の多くのネコ科の種に比べて上顎前臼歯が1対少ない。イリオモテヤマネコも同じ歯の特徴をもつ。クロアシネコは夜行性で夜に活動するため、滅多に見られない。日中はトビウサギの巣穴や、岩や低木の陰、シロアリの塚に隠れている。
その小さなサイズのため、クロアシネコは主にネズミや小鳥や爬虫類、昆虫などの小動物を捕食するが、時には自分の体重よりも重いハジロクロエリショウノガンケープノウサギを捕まえることもある。餌に占める昆虫やクモの割合は1%にも満たない。クロアシネコは少しでも人間が近づくと逃げようとするシャイな動物である。しかし、追い詰められると獰猛に反撃することが知られている。このような習性から南アフリカでは「アリ塚のトラ」と呼ばれることもある。カラハリ砂漠に住むサン人の間では、クロアシネコは非常に勇敢な動物とされ、キリン頸静脈を狙って襲うこともあるという。
分布域には比較的多く棲息していると言う学者もいるが、一般には珍しい動物だと考えられ、近年国際自然保護連合レッドリストにも登録された。妊娠期間は59-68日で、通常南半球の春から秋の時期に一度に2匹の子を産むが、1匹から4匹になることもある。子猫は5ヶ月齢ほどになると自立するが、しばらくは親の行動範囲の中に留まる。
1年ほどたつと、メスは約10km2、オスは約22km2ほどの縄張りを持つようになり、1匹のオスの縄張りが1-4匹のメスの縄張りと重なっている。しかしクロアシネコは極めて単独性が強く、繁殖期もオスとメスは5-10時間ぐらいしか一緒に過ごさない。これは生息地に獲物となる動物が極めて少数しかおらず、一緒にいると食料が不足してしまうからだと考えられている。クロアシネコは狩りのために一晩に8kmも移動する。エネルギー消費は非常に高く、一晩に250gもの肉を食べる。これは自己の体重の6分の1に相当する。
また2つの亜種に分けられる可能性も指摘されている。ナミビアボツワナクルーガー国立公園などに棲息し、比較的小型で色が薄いのが''Felis nigripes nigripes''で、南アフリカカルーケープ地方に棲息する比較的大型で色が濃いのが''Felis nigripes thomasi''である。さらに両亜種の特徴を持った一群が南アフリカ中央部のキンバリー近郊に棲息している。



抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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