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クロコン酸 (クロコンさん、croconic acid) は化学式 または で表される有機酸である。シクロペンテン骨格に2つの水酸基、3つのカルボニル基を持ち、オキソカーボン酸の一種でもある。日光に敏感で〔、水・エタノールに可溶〔 William Allen Miller (1868), ''Elements of chemistry: theoretical and practical'', 4th edition. 884 pages. Longmans 〕、黄色結晶性固体で、212 °Cで分解する〔Edward Turner, ''Elements of Chemistry''〕。 水酸基の水素がプロトンとして脱離することで酸性を示す (pK1 = 0.80 ± 0.08 and pK2 = 2.24 ± 0.01 at 25°C)〔 Lowell M. Schwartz, Robert I. Gelb, and Janet O. Yardley (1975), ''Aqueous Dissociation of Croconic Acid''. J. Phys. Chem., volume 79 issue 21, pp 2246–2251. 〕〔 Robert I. Gelb, Lowell M. Schwartz, Daniel A. Laufer, Janet O. Yardley (1977), ''The structure of aqueous croconic acid''. J. Phys. Chem., volume 81 issue 13, pp 1268–1274. 〕。クロコン酸水素イオン 〔、クロコン酸イオン はどちらも安定である。特にクロコン酸イオンは芳香族性を示し〔 Georgopoulos SL, Diniz R, Yoshida MI, Speziali NL, Dos Santos HF, Junqueira GMA, de Oliveira LFC (2006) "Vibrational spectroscopy and aromaticity investigation of squarate salts: A theoretical and experimental approach", JOURNAL OF MOLECULAR STRUCTURE Volume: 794 Issue: 1-3 Pages: 63-70 〕、対称性を持つため、二重結合と負電荷が5つのカルボニル基に非局在化する。リチウム・ナトリウム・カリウム塩は二水和物となるが、橙色のカリウム塩は一水和物の形態もとる〔 Kiyoyuki Yamada, Nobuhisa Mizuno and Yoshimasa Hirata (1958), ''Structure of Croconic Acid''. Bulletin of the Chemical Society of Japan volume 31, issue 5, pp. 543-549 〕〔。アンモニウム・ルビジウム・セシウム塩は無水物となる〔。バリウム・鉛・銀塩も知られている〔。 水酸基の水素がアルキル基となったジメチルクロコン酸のようなエーテルも存在する。 == 歴史 == クロコン酸とクロコン酸カリウム二水和物は、1825年にレオポルト・グメリンによって発見された。名はギリシャ語で「サフラン」または「卵黄」を意味するに由来する〔。クロコン酸アンモニウムの構造は、1964年、Baenzigerらにより決定された。クロコン酸カリウム二水和物の構造は、2001年、J. D. Dunitzにより決定された〔J. D. Dunitz, P. Seiler, W. Czchtizky (2001), Angew. Chem. vol. 113, p. 1829; Angew. Chem. Int. Ed. vol 40, p. 1779〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クロコン酸」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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