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クロスフィンガリング : ウィキペディア日本語版
クロスフィンガリング
クロスフィンガリング(cross-fingering)とは、フラウト・トラヴェルソリコーダーのような、半音階を自由に奏することができない木管楽器において、半音を出すために用いる運指法(指使い)のこと。フォークフィンガリング(fork-fingering)ともいう。
== 運指法の例 ==

ルネサンス・フルートを例として説明する。今日のフルート(モダン・フルート)の祖先に当たるルネサンス・フルートは、木製の円筒に歌口と 6つのトーンホール音孔)が開いているだけの極めてシンプルな横笛である。通常は楽器を右側に構え、歌口に近い上流側 3つのトーンホールは左手の第2 - 4指で、下流側 3つのトーンホールは右手の第2 - 4指でふさぐ。全てのトーンホールをふさぐと、管内部で振動する気柱の長さが最大となり、最も低い音が出る。テナーのルネサンス・フルートの最低音は D4(ニ長調のド、すなわちハ長調のレ)であり、いわゆる D管である。
全てのトーンホールを閉じてから、歌口と反対側の方からトーンホールをひとつずつ順に開けていくと、管内部で共振する気柱の長さが短くなって周波数が上がっていき、下記のようにニ長調の音階が出せる。●が閉じるトーンホール、○が開けるトーンホールである。

歌口  トーンホール  階名  音名
◯   ●●●●●●   ド  (D4)
◯   ●●●●●○   レ  (E4)
◯   ●●●●○○   ミ  (F#4)
◯   ●●●○○○   ファ (G4)
◯   ●●○○○○   ソ  (A4)
◯   ●○○○○○   ラ  (B4)
◯   ○○○○○○   シ  (C#5)

しかし、例えば「ファの#」や「ラの♭」を出したいと思っても、直接出せるトーンホールはない。そこで、次のようにする。

◯   ●●●○○○   ファ (G4)
◯   ●●○●●●   ファ#(G#4)
◯   ●●○○○○   ソ  (A4)
◯   ●○●●●○   ラ♭ (B♭4)
◯   ●○○○○○   ラ  (B4)

このように、出したい音より半音上のトーンホールを開き、下流側のトーンホールをいくつか閉じて音程を調節するような指使いを、指の動きが交差することから「クロスフィンガリング」という。
トーンホールの大きさは管の内径より小さいので、開いているトーンホールより下流側の空気も共振しているため、下流側を閉じることで共振している気柱の長さを増大させ、音高を下げることができるのである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「クロスフィンガリング」の詳細全文を読む



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