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クールブリタニア : ウィキペディア日本語版
クール・ブリタニア

クール・ブリタニアCool Britannia)は、1990年代イギリス文化の盛んな様、格好よい様を描写する際にメディアが使った用語である。1990年代半ばに造られ、1990年代末に一世を風靡した言葉であり、保守党からの政権交代を果たしたトニー・ブレア首相労働党政権(第三の道を取り、「ニュー・レイバー」を標榜する)やその政策と密接な関係を持っており、1970年代から1980年代にかけての停滞や混乱の時代の後に来た90年代の楽天的な空気を表す言葉であった。もともとは愛国歌『ルール・ブリタニア』("Rule, Britannia": ブリタニアよ世界を治めよ)とかけた駄洒落であった。
== 背景 ==
1990年代前半から、若い世代による先端的な文化・メディアが次々とイギリスで発生し、世界の若い世代に影響を与えつつあった。たとえば音楽界におけるブリットポップテクノレイヴなど、美術界におけるヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)、ファッション業界におけるジョン・ガリアーノオズワルド・ボーテングアレキサンダー・マックイーンら若手デザイナーの世界的ブーム、そしてこれらを報じる斬新なデザインの音楽誌・カルチャー誌・ファッション誌などがそうである。
彼らは1980年代後半、サッチャー政権下の不景気の際にはアンダーグラウンドで活動を続けていたが、1990年代に入り次々と大手メディアなどから契約や出資を得てより大きな発表機会を持つようになった。
イギリスは1990年代前半以降、次々と文化におけるスターを生んで、アメリカ文化に対しイギリスの独自性を主張するようになった。伝統的なお家芸の音楽ファッション出版広告デザインにとどまらず、建築美術コンピュータゲームスポーツ、そして1996年には『トレインスポッティング』の世界的ヒットにより、長年低迷していた映画業界でも若い世代が台頭し、イギリス発の表現は世界に広がった。
これと同じ頃、政界では1994年に41歳のトニー・ブレアが労働党党首に選ばれ国内に新鮮な衝撃を与えた。彼は「新しい世代」「新しい労働党」を標榜して、党を労働組合から切り離し階級政党から国民政党に変換し、さらに党綱領から産業の国有化条項を削除し、市場経済路線に転換した。
また経済でも、サッチャー政権時代に行われた規制緩和などにより次第に世界各国からの投資が増え、金融のみならず製造業も海外企業の進出などにより復活し、1995年頃から長年の経済低迷から脱して久々("100年ぶり")の好景気を謳歌していた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「クール・ブリタニア」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Cool Britannia 」があります。



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