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『牯嶺街少年殺人事件』(クーリンチェしょうねんさつじんじけん、原題:''牯嶺街少年殺人事件''、英題:''A Brighter Summer Day'')は1991年の台湾映画。 == 概要 == 1961年6月に台湾で起こり、当時思春期だったエドワード・ヤン監督に衝撃を与えた、中学生男子による同級生女子殺傷事件をモチーフにした青春映画。1950年代末期から1960年にかけてが時代背景であり、エルビス・プレスリーに憧れる少年やごく普通の少年たちの風景や心情、そして事件に至ってしまった少年の心の機微まで描いている。 第28回金馬奨で最優秀作品賞を受賞。第4回東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門審査員特別賞、国際批評家連盟賞受賞。1995年には、イギリスのBBCによる「21世紀に残したい映画100本」に選出。2015年には釜山国際映画祭のアジア映画ベスト100の第8位に選出された。 日本では188分バージョンが最初に劇場公開され、1992年6月から237分バージョンが劇場公開。監督は188分版を決定版としていた〔江戸木純『地獄のシネバトル 世紀末映画読本』洋泉社、1993年、p.132〕〔森卓也「キネマ当方見聞録 (14)植民地支配、そしてその後」『キネマ旬報』2010年1月上旬号、p.107〕。ビデオリリースは4時間版のみで、1998年のリバイバル上映では188分版が上映された。 高い評価を受けながらも、日本での興行は惨敗した〔大高宏雄『興行価値』鹿砦社、1996年、p.187〕。その上、配給とソフト発売元となったヒーロー・コミュニケーションズの1995年の倒産により〔大高(1996)、p.366〕、上映や再ソフト化が困難と言われる〔別冊映画秘宝編集部編『別冊映画秘宝 凶悪の世界映画事件史』洋泉社、2013年、p.174〕。 本作に衝撃を受けたという台湾の映画監督トム・リンは2008年公開の自作『九月に降る風』で映像を引用したかったが、権利が台湾と日本で複数の会社に複雑に分散しているために諦めざるを得なかったという〔「LONG INTERVIEWトム・リン監督」『キネマ旬報』2009年9月上旬号、p.69〕。シネマヴェーラ渋谷の館主である内藤篤によれば、ヒーロー・コミュニケーションズ倒産後の日本国内の権利者を把握して素材が存在するのも確認しているが、特殊な会社が所有していると語っている〔内藤篤、岡田秀則、藤井仁子「映画観客の意識を求めて」『映画芸術』第421号2007年秋号、p.41〕。 2014年10月現在日本ではDVD・BD共に未発売であり、既に販売が終了しているVHSとLDでしか見る機会はない。 海外では、近年再上映が行われており、2016年には米国のクライテリオン社よりブルーレイとDVDが発売される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クー嶺街少年殺人事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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