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ケプラー16b (Kepler-16b) は、恒星同士の連星ケプラー16の重心を中心に公転する太陽系外惑星である。初めて発見された、恒星同士の連星を公転する惑星。 == 軌道 == ケプラー16bは、K型主系列星であるケプラー16Aと、M型主系列星であるケプラー16Bの連星の重心を中心として公転する周連星惑星である。周連星惑星の最初の例は、中性子星のPSR B1620-26と白色矮星のWD B1620-2の連星系を中心として公転する太陽系外惑星「PSR B1620-26 b」が1993年に発見されているが、恒星同士の連星を中心として公転する明確な例はケプラー16bが最初である〔〔First Transiting Planet Orbiting Two Stars Discovered by the NASA Kepler Spacecraft - ''SETI協会'' 〕〔2つの「太陽」を持つ惑星を初めて発見 - ''AstroArts'' 〕〔恒星同士の連星を中心として公転する太陽系外惑星はロス458の連星を公転するロス458cが2010年に発見されているが、軌道が非常に大きく (1168AU)、本当に連星系を中心に公転しているのか確証がない。また、間接的な証拠としては、BD +20°307の周りにある円盤が、かつて惑星だった残骸であると考えられている。〕。 ケプラー16bは、ケプラー16系の重心から約1億500万km (0.71AU) 離れたところを約229日周期で公転しており〔、2012年頃は、ケプラー16Aの手前を7.2時間、ケプラー16Bを6.0時間かけて通過する〔。周連星惑星が恒星の手前を横切る様子が観測されたのも初である。ケプラー16の恒星同士も互いの手前を通過するアルゴル型食変光星であり、元々食変光星として観測されていた。ケプラー16bはケプラー16の恒星同士が食を起こしていない時にも、更に2度光度が変化する現象の説明として、第3の天体の食による光度変化として観測された〔〔“太陽”が2つある土星型の系外惑星 - ''ナショナルジオグラフィック ニュース'' 〕。 ケプラー16bは、連星系の惑星生成の限界であると考えられていた半径の内側を公転している点でも珍しい〔NASA Detects Planet Dancing With a Pair of Stars - ''ニューヨーク・タイムズ'' 〕。マサチューセッツ工科大学のサラ・シーガーによると、接近した連星の惑星の軌道が安定するには、連星同士の軌道長半径の少なくとも7倍の距離が必要という。しかし、ケプラー16bの軌道長半径は、ケプラー16Aとケプラー16Bの軌道長半径の3.41倍しか離れていない。なお、この値は見つかっている周連星惑星の中で最小の値である。 ケプラー16bがケプラー16Aとケプラー16Bの両方を通過するのは2014年までであり、2014年以降はAとBのどちらか片方しか通過しなくなる。そして2018年から2042年まではどちらの恒星の手前も通過しなくなり、トランジット法では検出されなくなる〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ケプラー16b」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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