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ケルト国(ケルトこく、英語: Celtic nations、セルティック・ネイションズ)は、北ヨーロッパおよび西ヨーロッパの、地域独自のケルト語、芸術、歴史、音楽、舞踊、文学といった文化的特性が今も残る領域を指す名称である。 ネイション(nation)という言葉は元々、共通の伝統的なアイデンティティーや文化を共有する「人々」を意味する言葉として用いられ、歴史的な領域、国、または地域として識別される。ここでのネイションは主権国家と同義語ではない。 ケルトの国として認識される6つの地域は、ブルターニュ(''Breizh'')、コーンウォール(''Kernow'')、アイルランド (''Éire'')、マン島(''Mannin'')、スコットランド(''Alba'')、ウェールズ(''Cymru'')である〔〔Celticleague.net 〕。これらの領域では、ケルト語系の言語が現在も話されているか、近代まで話されていた。加えて、スペイン北西部(ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア)、ポルトガル(ミーニョ、ドウロ、トラス・オス・モンテス。いずれもガリシア州と接する山間地帯)はしばしば、地域の独自の文化に起因してケルトとして識別される。古代ローマとゲルマニアの文化圏が拡大する以前、ヨーロッパの重要な部分はケルト文明が占めていた。 ==6つのケルト国== 6カ国はそれぞれ独自のケルト系言語を持つ。ウェールズ、スコットランド、ブルターニュ、アイルランドでは現代まで継続してそれぞれの言語が話されてきているが、一方でコーンウォールとマン島においては現代までは話されていたというべきであり、社会言語としては死語になっている。しかし近年どの地域でも言語の活性化の動きがあり、成人層によるこれら言語の採用を促し、母語話者の人数を増やしている〔Fockle ny ghaa: schoolchildren take charge 〕。 アイルランド、ウェールズ、ブルターニュ、スコットランドといった国では、ケルト系言語を日常的に話す地域が含まれている。こうした地域はアイルランドにおいてはゲールタハト、ウェールズにおいてはア・ヴロー・ガムラーイグ(:en:Y Fro Gymraeg)、ブルターニュにおいてはブレイス・イゼル(フランス語ではバス=ブルターニュ)と呼ばれる〔Anyone here speak Jersey? 〕。一般的にこうしたケルト系言語を話す地域は国の西部や高地、島嶼部に存在する。Gàidhealtachdという名称は歴史的にゲール語の話される地域(ハイランド)を、アングロ・サクソン語の話される地域(ロウランド)と区別してきた。さらに最近、この名称は、ゲール語を離さない地域も含んでいるハイランド・カウンシル・エリアのゲール語名として採用されている。ゆえに、さらに具体的な名称sgìre Ghàidhlig(ゲール語を話す地域、の意味)が現在用いられている。 ウェールズにおいて、ウェールズ語は全児童の必修科目となっている。さらに、ウェールズの学童の20%が、ウェールズ語で全授業を行う学校に進学する。アイルランド共和国では、学童全員がアイルランド語を中等学校を修了するまでに三大科目の1つとして学ぶ。そして初等教育の7.4%が、Gaelscoil(国立小中一貫校)運動の一環として、アイルランド語で教育を行う学校を通じて行われている〔。 イベリア半島北部の一部、特にアストゥリアス州、ガリシア州、ポルトガル北部は、時に現代ケルト国の1つに数えられる。これは、スペインやポルトガルの他の地域とは異なる、地域の独自文化によるところが大きい。これら地域の伝統音楽では広範囲で、現代ケルト音楽の一般的な楽器であるバグパイプが用いられる。ガリシアやアストゥリアス出身のこうしたミュージシャンたちはケルト音楽祭に参加している。ポルトガル北部、かつての古代ガラエキアの一部(現在のガリシア、ミーニョ、ドウロ、トラス・オス・モンテス)も、ガリシアと全く同じ伝統を持っている。しかし、前述の6カ国とは異なり、イベリア半島北部ではおそらく中世初期以降、全くケルト系言語が話されなくなっている〔Koch, John T. (2006). "Britonia". In John T. Koch, ''Celtic Culture: A Historical Encyclopedia''. Santa Barbara: ABC-CLIO, p. 291.〕。 下のグラフはそれぞれのケルト民族の人口、ケルト系言語を話せる人口を示している。ケルト国に居住する総人口は18,584,000人、このうちケルト系言語を話せる人々の人口はおよそ2,882,100人である。 * 1アイルランド共和国の国旗は、アイルランド全体を表すものとしてケルト連盟で使用されている。 上記の言語のうち、アイルランド語、マンクス語、スコットランド・ゲール語はゴイデリック語に属し、ウェールズ語、コーンウォール語、ブルトン語はブリソン諸語に属する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ケルト国」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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