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ガレット・デ・ロワ()は、公現祭の日に食べるフランスの菓子である。ここでは公現祭に食べる各地の類似した菓子についても述べる。 == 概要 == フランスの地方ごとに少しずつ異なるが、最も一般的なものは紙の王冠がのった折りパイにフランジパーヌ(アーモンドクリーム)が入ったパイ菓子で、中にフェーヴ(fève、ソラマメの意)と呼ばれる陶製の小さな人形が一つ入っている。公現節(1月6日)に家族で切り分けて食べ、フェーヴが当たった人は王冠を被り、祝福を受け、幸運が1年間継続するといわれる。名称の「ロワ」(王たち)とはフランス語で「ロワ・マージュ」(rois mages)と呼ばれる東方の三博士のことである。 ロワール川以南ではブリオッシュ生地で作るガトー・デ・ロワ(gâteau des rois)またはブリオッシュ・デ・ロワが好まれる。プロヴァンスやラングドックのガトー・デ・ロワはロワイヨームと呼ばれ、レモンピールで香りをつけた王冠の形をしている。ボルドーでは形は同じだがコニャックで香りをつけ、トルティヨンと呼ばれている。いずれもフェーヴを入れる習慣は共通である〔マグロンヌ・トゥーサン=サマ『お菓子の歴史』吉田春美訳、河出書房新社、2005年、p302〕。 伝統的には、家族が集まった中で一番小さい子供をテーブルの近くに呼び、目隠しをさせて大人の誰かが切り分け、この子供に誰に配るかを指名させる。そして、昔は毎週末家族が集まって食事をするのが常であったので、フェーヴが当たった者は次の週末の会食の際にガレット・デ・ロワを自作するか購入して皆に供した。この際、前回王冠を手にした者は、この者が男性であった場合は女王を、女性であった場合は王を家族の中から選ぶ。子供を喜ばせるため、しばしばこの女王か王は子供が選ばれる。そしてこの行事はだいたい1月一杯の間行われる。元々フェーヴは本物のソラマメだったが、1870年に陶製の人形が使われるようになった。現在ではプラスチック製のフェーヴもある。 日本でも、ガレット・デ・ロワを置く店が増えており、フェーヴだけを単独で販売する店もある。代表的なところでは渋谷区広尾にあったRUE DE SEINEというフランス雑貨店が、日本で最初にフェーヴを大々的に販売したショップである。 ガレット・デ・ロワの起源は、古代ローマのサートゥルヌスの祭典サートゥルナーリアにさかのぼる。サートゥルナーリアの饗宴では豆を一つ入れたケーキが供され、豆が当たった出席者を宴の王とする習慣があった。 公現節を祝う習慣のある地域ではフランス同様、公現節に豆やコインを隠したケーキを食べる習慣があり、カタルーニャ州にはトルテリュ(tortell)、ギリシアやキプロスにはヴァシロピタ(Vasilopita)がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ガレット・デ・ロワ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 King cake 」があります。 スポンサード リンク
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