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ゲルシュゴリンの定理 : ウィキペディア日本語版
ゲルシュゴリンの定理[げるしゅごりんのていり]
数学におけるゲルシュゴリンの定理(ゲルシュゴリンのていり、)は正方行列固有値 (スペクトル) の大きさを測るのに用いられる。この定理を初めて発表したのはソヴィエトの数学者 である。
== 定理の主張と証明 ==
''n'' × ''n''-複素行列 ''A'' の各成分を a_ とする。また各 ''i'' ∈  に対して
: R_i = \sum_ \left|a_\right|
を第 ''i''-行の非対角成分の絶対和とする。このとき、''a''''ii'' を中心とする半径 ''R''''i'' の閉円板 ''D''(''a''''ii'', ''R''''i'') をゲルシュゴリン円板 (''Gershgorin disc'') と言う。
; 定理 (Gershgorin) : ''A'' の任意の固有値は少なくとも一つのゲルシュゴリン円板 ''D''(''a''''ii'', ''R''''i'') の上に載っている
証明. ''A'' の固有値 λ とそれに属する固有ベクトル x = (''x''''j'') を取り、固有ベクトル x のうち絶対値が最大となる成分の番号 ''i'' ∈  ( |''x''''i''| = max''j'' |''x''''j''| ) を選ぶと |''x''''i''| > 0 である(さもなくば x = 0 である)。x は固有ベクトルゆえ ''A''x = λx が成り立つが、これは各行について
: \sum_j a_ x_j = \lambda x_i
が成り立つということであり、対角成分を移行して
: \sum_ a_ x_j = \lambda x_i - a_ x_i
が得られる。''i'' を上で述べたように選んだならば、選び方から ''x''''i'' ≠ 0 だから、両辺を ''x''''i'' で割って絶対値を取れば
: |\lambda - a_| = \left|\frac\right| \le \sum_ \left| \frac \right| \le \sum_ |a_| = R_i
を得る。ここで最後の不等号が成り立つことは
: \left| \frac \right| \leq 1 \quad \textj \neq i
による。
; 系: ''A'' の固有値は ''A'' の(行ではなく)列に対応して作られるゲルシュゴリン円板の上にも載っていなければならない。
証明は ''A'' の代わりに ''A'' の転置行列 ''A''T を考えればよい。
; 例: 対角行列に対しゲルシュゴリン円板はその行列のスペクトルそのものである。逆にゲルシュゴリン円板がスペクトルに一致するならば、その行列は対角行列である。'x = λx が成り立つが、これは各行について
: \sum_j a_ x_j = \lambda x_i
が成り立つということであり、対角成分を移行して
: \sum_ a_ x_j = \lambda x_i - a_ x_i
が得られる。''i'' を上で述べたように選んだならば、選び方から ''x''''i'' ≠ 0 だから、両辺を ''x''''i'' で割って絶対値を取れば
: |\lambda - a_| = \left|\frac\right| \le \sum_ \left| \frac \right| \le \sum_ |a_| = R_i
を得る。ここで最後の不等号が成り立つことは
: \left| \frac \right| \leq 1 \quad \textj \neq i
による。
; 系: ''A'' の固有値は ''A'' の(行ではなく)列に対応して作られるゲルシュゴリン円板の上にも載っていなければならない。
証明は ''A'' の代わりに ''A'' の転置行列 ''A''T を考えればよい。
; 例: 対角行列に対しゲルシュゴリン円板はその行列のスペクトルそのものである。逆にゲルシュゴリン円板がスペクトルに一致するならば、その行列は対角行列である。
x が成り立つが、これは各行について
: \sum_j a_ x_j = \lambda x_i
が成り立つということであり、対角成分を移行して
: \sum_ a_ x_j = \lambda x_i - a_ x_i
が得られる。''i'' を上で述べたように選んだならば、選び方から ''x''''i'' ≠ 0 だから、両辺を ''x''''i'' で割って絶対値を取れば
: |\lambda - a_| = \left|\frac\right| \le \sum_ \left| \frac \right| \le \sum_ |a_| = R_i
を得る。ここで最後の不等号が成り立つことは
: \left| \frac \right| \leq 1 \quad \textj \neq i
による。
; 系: ''A'' の固有値は ''A'' の(行ではなく)列に対応して作られるゲルシュゴリン円板の上にも載っていなければならない。
証明は ''A'' の代わりに ''A'' の転置行列 ''A''T を考えればよい。
; 例: 対角行列に対しゲルシュゴリン円板はその行列のスペクトルそのものである。逆にゲルシュゴリン円板がスペクトルに一致するならば、その行列は対角行列である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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