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鉱石ラジオ(こうせきラジオ)()とは、方鉛鉱や黄鉄鉱などの鉱石の整流作用を利用したAMラジオ受信機のことである。真空管ラジオが普及する以前に広く用いられた。 現在でも、当時の機器を模したキット等が発売されており、科学実験の素材として人気がある。 ==鉱石の整流作用== AM(振幅変調)受信機(ラジオ)のうち、構造が最も簡単なものは、 * アンテナ、アース * 同調回路 * 検波回路 * 受話器(レシーバー) から構成される。このうち検波(復調)回路に鉱石検波器を用いたものが鉱石ラジオである。 振幅変調の電波を受信する場合、電波(振幅変調された高周波の電気信号)から音声信号(低周波の電気信号)を取り出す(包絡線検波による)には、電流を一方向にだけ流す整流作用を持つ素子に電気信号を通す必要がある。方鉛鉱、黄銅鉱などの結晶の表面の適切な位置に細い金属線(「猫のひげ」と呼ばれた)を接触させると、整流作用を示す。これにより、放送を受信できる。鉱石へ接触させる金属線(針)の接触位置によって整流の状態が大きく変わるため微妙な調整が必要である。 包絡線検波には、整流後、放送電波由来の高周波成分を除去するローパスフィルタが必要である。しかし、実際には聴取に利用する圧電イヤホンの特性から、ローパスフィルタなしでも聴取可能である。 鉱石ラジオはアンテナから受けた電波のみを電源として利用するため、検波によって得られる音声信号は非常に微弱である。そのためレシーバーも微弱な電流を音声に変えられるものが必要になる。鉱石ラジオが発明された当時はマグネチックレシーバーなどが主流だったが、後にロッシェル塩などの結晶を用いた圧電素子による圧電イヤホン(クリスタルイヤホン)が登場する。ロッシェル塩の潮解性などのために、現代では圧電イヤホンはセラミックによる圧電素子を用いたもの(セラミックイヤホン。これをクリスタルイヤホンと呼んでいることもある)を使用する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「鉱石ラジオ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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