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半導体検出器(はんどうたいけんしゅつき, 〔固体検出器(こたいけんしゅつき, , SSD)とも呼ばれる。〕)とは、半導体を利用した放射線検出器を言う。 半導体検出器は、時間応答性が比較的早くエネルギー分解能が優れていることから主にエネルギー分析に用いられる〔計測学(2003) p.41〕。半導体としては、シリコンまたはゲルマニウムが主に用いられる。 == 概要 == 半導体はそのままでは電気を通さないが、放射線が入射すると電離作用により電子正孔対が生成され電気が通るようになる〔計測学(2003) p.41〕。これはすなわち、放射線の入射を電気信号に変換できることを意味するが、この性質を利用した放射線検出器を半導体検出器(semiconductor detector)と呼ぶ。 他の放射線検出器に比べて半導体検出器はエネルギー分解能が高く〔分解能に非常に優れているため低レベル放射線でも感度よく計測できる。しかし裏をかえせば特定の試料の放射線を計測したい場合、バックグラウンドレベルの放射能でもノイズとなる。このため、試料の放射線を測定するには遮蔽体で検出器を覆う必要がある。特に厚さ10 cm程度の鉛で検出器を覆い、更に内部に1 mm程度のカドミウム、さらにはその内側に1 mm程度の銅で覆うことによって、ほとんどのノイズ放射線を除去できる。鉛の同位体からの放射線や80 keVの鉛の特性X線はカドミウムによって遮蔽され、銅はカドミウムの23 keVの特性X線を遮蔽するのに用いる。しかしカドミウムの特性X線レベルの放射線に対してはGe半導体検出器は感度が皆無であるので、測定可能エネルギー領域が広い検出器に対しては有効である。検出器に数mm程度のアクリルなどのプラスチックキャップをかぶせる事があるが、これはベータ線などの電子を遮蔽する事と、制動放射の抑制が目的である。 放射線概論〕、特にゲルマニウム半導体検出器はガンマ線のスペクトル分析を正確に行えることから放射性核種の同定や放射能の測定をするにあたって広く用いられている〔計測学(2003) p.102〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「半導体検出器」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Semiconductor detector 」があります。 スポンサード リンク
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