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ゲルマン祖語[げるまんそご]
ゲルマン祖語(ゲルマンそご、)は、インド・ヨーロッパ祖語(印欧祖語)から分化した言語の一つであり、ゲルマン語派に属する言語、すなわちドイツ語、英語、オランダ語、デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、アイスランド語などの祖先の言語(祖語)である。文献が全くないので他の言語の知識から復元(再構)して考察されている。 ==歴史==
ゲルマン人は血統的には非印欧語系スカンジナビア原住民、球状アンフォラ文化の担い手など様々な混血である。ゲルマン語をもたらした集団はヤムナ文化より分化し、バルカン半島、中央ヨーロッパを経由してスカンジナビア半島南部にやってきた集団(ケルト語やイタリック語の担い手と近縁)とする説、戦斧文化の担い手の子孫(バルト・スラブ語派と近縁)とする説、あるいはゲルマン祖語は両者の混合であるとの見方もある。ゲルマン人は紀元前750年ごろから移動を始め、紀元前5世紀にゲルマン祖語が成立、その語西ゲルマン語群、東ゲルマン語群、北ゲルマン語群に分化した。 ゲルマン祖語の祖先であるインド・ヨーロッパ語族の北西語群はその存在と起源を非常に古い時代にまで求めることができるが、ゲルマン祖語自体はそれほど古いものではない。ゲルマン祖語は、北部ドイツのヤストルフ文化にて、 ゲルマン語派のみに特徴的な音声変化とされるもの(訛り)が前5世紀から発生したことにより成立したと推定される〔 J. P. Mallory and D. Q. Adams, ''Encyclopedia of Indo-European Culture'', Fitzroy Dearborn Publishers, London and Chicago, 1997, “Jastorf culture”〕。その後このヤストルフ文化が周囲に伝播していく過程でこの音声変化の流行も共に伝播していくことで、ゲルマン語派の各地の言語が成立したものと考えられる。北西語群のうちこの音声変化の伝播から外れた諸言語もあり、たとえばスラヴ語派やバルト語派の諸言語がそれと考えられている。スラヴ祖語やバルト祖語はその成立過程においてスキタイ人やサルマタイ人、あるいはそれらより昔の時代にウクライナ・ステップに侵入したこれらイラン語群の遊牧民社会との接触によって彼らから音声的特徴の影響を強く受けてサテム化している。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ゲルマン祖語」の詳細全文を読む
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