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ゲルリッヒ砲[げるりっひほう]
ゲルリッヒ砲(ゲルリッヒほう)とは、砲身が砲尾から砲身にかけて口径が小さくなっていく形式の火砲の一種である。 一般的な軍事用語では「口径漸減砲(英語:squeeze-bore Gun)」、もしくは「減口径砲(taper-bore gun)」と呼び、ドイツではヘルマン・ゲルリッヒ(Hermann Ernst Gustav Thorismund Gerlich)が対戦車ライフルに応用したため、この名称で呼ばれる。 == 概要 == 火薬によって砲弾を撃ち出すという方法を用いている限りにおいて、火薬の威力を最大限に活用するという命題は重大な問題であった。工作の技術的な問題が解決されていない状態においては、砲弾の形状の改善が目的とともになされてきたが、厳密にいえば、砲弾は火薬の威力を活用するには砲弾は砲身に負担をかけない程度の状態において密着していることが望ましく、口径が漸減していくということは、砲弾が砲身から出るまでの間において装薬の燃焼によるエネルギーを最大限に砲弾に与えることができる、という理論に基づいて構想された。 この形式の砲に用いる砲弾は、タングステン合金製の芯の周囲に柔らかい金属の傘状の突起が巻かれた形のものを用いた。これにより、砲身内部の発射圧をより効率的に砲弾に加えることができ、通常の同口径の砲と比較して速い初速を得ることができる。そのため、口径の割には強力な貫徹力を持つ砲となる。このことは同じ貫徹力を持つより小さな口径の兵器を作れることを意味しており、兵器としての重量を小さくすることが出来るという可能性があり、同格の相手にとって脅威となりうる兵器であった。 しかし、この手の減口径砲は独特の設計のため弾頭の大型化に難があり、またその構造原理故に砲身寿命が短く、榴弾が使用できないものもあり、一定以上に発展することはなかった。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ゲルリッヒ砲」の詳細全文を読む
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