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コシマガリモエビ(腰曲がり藻蝦)、学名 ''Heptacarpus geniculatus'' は、十脚目モエビ科に分類されるエビの一種。日本近海の海岸周辺にある藻場に生息し、海草によく擬態する。 体長は30-50mmほどで、体は前後に細長い。6つの腹節のうち、中央の第3腹節以降が下に強く折れ、「へ」の字型の体型をしている。和名もこの「腰が曲がった」体つきに由来する。額角は細く、まっすぐ前方に伸び、鋸歯が下側に7-9個、上側の複眼近くに4-7個ある。体色は一様に緑色か茶色をしていて、特に目立つ模様はない。 樺太、北海道から九州中部まで分布し、内湾のアマモ藻場やその周辺の岩場に生息する。海草の葉の間を移動しながら生活し、藻類やデトリタス等を食べる。 緑や茶色の体色と細長い体で海草に紛れこみ、沿岸性の魚類やイカなどの天敵から身を守る。同様に海草に擬態するエビは日本近海だけでも多数知られており、同じモエビ科(後述)の他にタラバエビ科のホッカイエビ ''Pandalus latirostris''、ミツクリエビ ''Pandalopsis pacifica'' 等がいる。 繁殖期は春だが、九州や四国、本州南部では冬のうちから繁殖を始める。卵はメスが腹脚に抱えて保護する〔三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑 I』1982年 保育社 ISBN 4586300620〕。 小型種で人間にとっての利用価値は特にないが、シバエビ等の有用種を狙った沿岸漁業で混獲されることがある。 ==類似種== ;ツノモエビ ''Heptacarpus pandaloides'' (Stimpson, 1860) :コシマガリモエビに似るが額角が長く、鋸歯は下側に9-13個、上側の複眼付近に7-10個がある。北海道北部から九州南部まで分布する。 ;クサイロモエビ ''H. grebnitzkii'' (Rathbun, 1902) :体長40mmほど。額角の鋸歯は下側2-3個、上側6-9個。樺太、中国北部、北海道から九州まで分布する。 ;ホソモエビ ''Latreutes aciculatus'' Ortmann, 1890 :体長15-25mmで、ツノモエビよりも小型。額角の鋸歯は先端部に偏り、下側3-6個、上側0-2個。北海道南部から九州まで分布する。 ;アマモトゲモエビ ''Spirontocaris brashinikovi'' Kobjakova, 1936 :体長30mmほど。額角は側扁し幅広く、下側5個、上側13個の鋸歯がある。ベーリング海に分布するが、北海道東部の根室市でも記録された〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コシマガリモエビ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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