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コスタ・コンコルディアの座礁事故(コスタ・コンコルディアのざしょうじこ)とは、2012年1月13日、コスタ・クルーズ所有のクルーズ客船コスタ・コンコルディアが、イタリアのジリオ島付近にある浅瀬で座礁し、浸水・転覆した海難事故である。 == 事故の概要 == 2012年1月13日(金曜日)の午後9時42分頃(現地時間)、コスタ・コンコルディアがトスカーナ州沖合のジリオ島付近の浅瀬に乗り上げて座礁した。 同船はイタリアのチビタベッキア発着の7日間西地中海クルーズの途中で、チビタベッキア港を出港して同国サヴォナ港へ向かう途中であった〔「イタリアの豪華客船座礁、3人死亡14人けが」 スポーツニッポン 2012年1月15日閲覧〕。事故発生は出航日の夕食時であり、航海が順調であればイタリアのサヴォナ、フランスのマルセイユ、スペインのバルセロナ、パルマ・デ・マヨルカ、イタリアのカリアリ、イタリアのパレルモに寄港する予定だった〔Italians launch rescue bid after cruise liner runs aground The Guardian 2012年1月15日閲覧。〕。 座礁から約1時間後に警報が鳴らされたが、乗組員はSOS海難信号を出さなかった。港の管制施設と船とが連絡をとったのも、地上オペレーター側からであった〔。また、携帯電話で警察に通報したのも乗客であった〔。 同船には座礁時、イタリア人989人、ドイツ人569人、フランス人462人、スペイン人177人、アメリカ人126人、クロアチア人127人、ロシア人108人、オーストリア人74人、スイス人69人、イギリス人25人、オーストラリア人21人、アルゼンチン人17人、台湾人13人、カナダ人12人、中国人38人(うち香港から26人)、ポルトガル人11人、コロンビア人10人、チリ人10人、トルコ人9人および、日本人43人、その他を含む〔〔「コスタ・コンコルディア」号 3名のロシア人が被害に The Voice of Russia 日本語版 2012年1月16日閲覧〕〔18 Argentines travelling on Italy cruise ship 'safe and sound' Buenos Aires Herald 2012年1月20日閲覧〕3,276人(定員4,200人)の乗客と、約1,023人の乗組員〔伊客船座礁事故、乗員の6割超はサービスや娯楽担当 ロイター 2012年1月19日閲覧〕〔イタリア沖の大型客船座礁、船長を拘束 41人不明 AFP BBNews 2012年1月15日閲覧。〕、合計4,299人が乗船している。 日本人乗客の多くは団体旅行客で、ローマ日本大使館は乗船していた43人全員が無事であったと発表した。救出後の彼らはほぼ全員がローマ市内のホテルに滞在し〔伊で豪華客船座礁、乗船の日本人は全員無事 日テレNEWS24 2012年1月15日閲覧。〕、1月17日にローマ発の航空便に乗って成田空港経由で帰国している〔無事帰国「ほっとした」座礁客船の日本人乗客 日本経済新聞 2012年1月17日閲覧。〕。 イタリアのクリニ環境相は、コスタ・コンコルディアは、事故当時約2,380トンの燃料(ほぼ満タン〔)を積んでおり、漏れ出さないよう防護壁で覆っていることを明らかにした。しかし、1月16日には船から何らかの液体が流出しており、政府はジリオ島周辺の環境が脅かされる可能性があるとして1月20日に非常事態宣言を発令した〔伊政府、座礁現場に非常事態宣言 日刊スポーツ 2012年1月21日閲覧。〕。燃料流出に備えて汚染除去作業を行う企業が待機し、抜き取りには最低2週間かかる見通しが示された〔。なおダイバーによる捜索活動が終了しないと、抜き取り作業は始めることができない〔伊政府、座礁現場に非常事態宣言 燃料漏れの恐れ 共同通信 2012年1月21日閲覧。〕。ジリオ島オルテッリ市長は、燃料抜き取りの重要性を強調し、環境や交通の点から船を早く撤去してほしいと語った。同島は海洋保護区に指定されており、夏の間は自然を楽しむ観光客で賑わう〔燃料流出なら環境災害も、イタリア客船事故で非常事態発令へ ロイター・ジャパン 2012年1月16日閲覧。〕〔伊客船の座礁事故、環境への「時限爆弾」 燃料漏れ懸念も AFP BB News 2012年1月17日閲覧。〕。 コスタ・コンコルディアには総額4億500万ユーロの保険がかかっており、海難事故の保険金支払額としては史上最高の10億ドル(約767億円)に達する可能性がある。さらに、損害賠償、悪天候による被害の拡大や環境問題などで金額がさらに膨らむ可能性もあり、各保険会社が対応に当たった〔イタリア客船事故の保険金支払い額、海難事故で史上最高か ロイター・ジャパン 2012年1月17日閲覧。〕。 1月19日には、アメリカのデジタルグローブが座礁したコスタ・コンコルディアを17日に撮影した衛星写真が公開された〔衛星写真にくっきり、座礁したコスタ・コンコルディア号 AFP BB News 2012年1月20日閲覧〕。 なおコスタ・クルーズ社は2010年にもエジプトのシャルム・エル・シェイクで乗員3名が死亡する事故を起こしている。 また、2010年欧州ソブリン危機(ヨーロッパ経済危機)の最中に起こった今回の事故は、クルーズ船業界に多大な経済的ダメージを与える可能性がある〔イタリア豪華客船事故、クルーズ船業界は「泣きっ面に蜂」 ロイター・ジャパン 2012年1月15日閲覧。〕。 事故が起きたのは、1912年4月14日に起きたタイタニック号の事故からちょうど100年目で、同じ客船の海難事故からも、事故をタイタニック号に例える乗客が少なくなかった。同船にはタイタニック号犠牲者の遺族も乗船していた。さらに、座礁当時に船のレストランでBGMとして映画タイタニックのセリーヌ・ディオンによる主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」が流れていたことが、1月19日にスイス人乗客の証言により判明した。また、事故が起きた日は、ちょうど13日の金曜日であった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コスタ・コンコルディアの座礁事故」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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