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コペンハーゲン地下鉄(コペンハーゲンちかてつ、)は、デンマークのコペンハーゲンとその近郊にあるフレデリクスベア (Frederiksberg)、ターンビー (Tårnby) で運行されている地下鉄である。2002年に開業し、2007年にコペンハーゲン国際空港まで延長されて、M1とM2の2系統を有している。デンマーク国鉄が運営する近郊列車であるS-Tog(エス・トー)を補完する小型の無人運転地下鉄である。 イタリアのアンサルドブレーダが製造した3両編成の列車34本を使用している。コペンハーゲンが50%、デンマーク政府が41.7%、フレデリクスベアが8.3%出資した地下鉄公社であるMetroselskabetが地下鉄網を所有している〔Official Metro website - Metroselskabet I/S 〕。また列車の運行はアンサルドSTS (Ansaldo STS) とミラノ地下鉄を運営しているアジエンダ・トラスポルティ・ミラネージ (ATM: Azienda Trasporti Milanesi) の合弁会社であるインメトロ (Inmetro) が行っている〔Milanese run København Metro , レールウェイ・ガゼット・インターナショナル 2008-01-08〕。日中は6分おき、ラッシュ時は4分おき、夜間は15分おきに運行されている。M1系統には15の駅があり全長14.3 km、M2系統には16の駅があり全長19.2 kmである。シティ・サークル線 (City Circle Line) が2018年に開業することが予定されている。この環状線ではM3系統とM4系統が運行されることになっており、都心部を結ぶ予定である。 == 歴史 == コペンハーゲン地下鉄は、おおむね1992年に出されたコペンハーゲンの交通網の将来に関する報告書の結果として建設された。コペンハーゲン中心部の南に位置するアマー島の大部分は未使用であるか農業に用いられていた。オーレスン・リンクの建設と関連してオレスタッド計画 (Ørestad) の一環としてこの土地を開発することが決定された。この地域はS-togの列車が通っていなかったため、都市の有機的な発展を阻害しないように、新しい開発と関連しあらかじめ効率的な交通網を建設することが決定された。この交通網に対して、路面電車と無人運転地下鉄、そして都心部を通過するために地下鉄のようなトンネルを利用する路面電車で構成されるライトレールの3つの主な提案が出された。最も輸送能力が高く高速で安全性に優れ、また都市の環境を破壊しないと考えられたことから地下鉄が選択された。しかしながら、これは3つの提案の中で最も費用がかかるものであり、当初計画の予算を超過する1つの理由となった。 1996年に出された地下鉄の当初建設に関する最終計画では、Vanløseから都市中心部を通りアマー島まで同じ経路を通り、そこでVestamagerへ行く西側のM1系統と、コペンハーゲン空港へ行く東側のM2系統に別れる2路線から構成されることになっていた。この計画は3段階に分割された。第1段階はNørreportからM1系統のVestamagerと、M2系統のLergravsparkenまでである。第1段階の建設は1997年に始まり、マルグレーテ2世の臨席により2002年10月19日に開業した。 第2段階はさらに2つのプロジェクトに分割された。2aプロジェクトはNørreportから西へフレデリクスベア (Frederiksberg Station) までで、2003年5月29日に開業した。2bプロジェクトは同年10月12日に開業し、フレデリクスベアからさらに西へVanløseまで延長した。フレデリクスベアからVanløseまでは、S-togの列車のF系統と同じところを走っている。第2段階の完成時点では、Flintholm駅はまだ建設中であった。この駅に関しては2004年1月24日から営業を開始している。 M2系統のLergravsparkenからコペンハーゲン空港までの最後の区間は第3段階とされた。この区間は4.5 kmに5つの駅があり、1960年代に廃止されたアマー鉄道 (Amagerbanen) が走っていたところを通る。この計画は、島が東西に分断されてしまうと恐れた地域住民による抗議を受けた。こうした住民はアマーメトログループ (Amager Metro Gruppen) という組織をつくり、法的手段により建設を阻止しようとしたがうまくいかなかった。こうした反対運動に応えて、この区間の建設計画は当初のものより多くのアンダーパスや歩道橋を建設するものへと見直された。この区間は2007年9月28日に開業し、都心部からコペンハーゲン空港駅(カストルップ駅、Copenhagen Airport, Kastrup Station)まで14分で行けるようになった。 運行が始まってから数年にわたり、地下鉄の費用便益比が議論された。しかしながら、地下鉄の負債の返済は予定より3年早く進んでおり、当初計画より9年早く返済が終わると見積もられている。しかしながら、2007年末現在でまだ進行中で2008年-2009年まで結論が出ないと思われる、地下鉄の土木工事の契約者 (Metro Civil Works contractor: COMET) とØrestadsselskabetの間の進行中の交渉により、予定外の出費が発生して影響を受ける可能性がある。自動ドア関連など、いくつかの技術的な問題により、最初の5年間は地下鉄に遅れが目立ち、全列車のうち定時に運行されたものは85%から95%に留まっていた。こうした問題のほとんどは解決され、2006年時点では定時率は98%から99%に達した。地下鉄は1日に約12万人の乗客を輸送しており、全体としてS-togやバスなどで構成される既存の公共交通機関とよく統合されている。 COMETコンソーシアムは、Astaldi・Vinci・Eiffage・Strabag・NCC Rasmussen & Schiøtz Anlæg・Carillionなどの企業から構成されている〔Copenhagen's First Metro Line Takes Shape 〕。 == 路線網 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コペンハーゲン地下鉄」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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