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コンソ
コンソ (Konso) は、エチオピアの南部諸民族州内の地域名であると同時に〔、そこで暮らすエスニック・グループの名称でもある〔篠原 (2005) p.81〕。コンソ地域は標高800 mから1800 mほどの山岳地帯にあり、そこで暮らす人々は資源の限られた自然環境の中で外敵の脅威などに備えつつ、最大限の農業生産性を上げようとして、さまざまな工夫を凝らして独特の文化様式を育んできた。その結果生まれた文化的景観は、2011年にUNESCOの世界遺産リストに登録された。なお、世界遺産登録時の評価対象には含まれなかったが、この地域のコンソ遺跡群からは175万年前の世界最古級の握斧などが出土しており、古人類学への貢献という面でも重要な地域である。 == 地理 == コンソ地域はエチオピアの首都アジスアベバから600kmほど離れた場所にあり〔〔、南部諸民族州の行政地域 (administrative district) のひとつとなっている〔ICOMOS (2011) p.2〕。コンソは少数民族の居住地域が指定されることが多い特別行政区(行政府所在地はカラティ、別名パカウレ)であり、州内の県と同格の権限を有している〔竹内啓一総編集 (2012) 『世界地名大事典3 中東・アフリカ』朝倉書店、p.411。「コンソ」の項目担当者は藤本武。〕。外部の者がコンソの町と呼ぶのは、このカラティのことである〔。コンソの集落はカラティからは外れたところにあり、観光客の集落訪問には、カラティでの許可証の発行が必要になる。〔〔地球の歩き方編集室 (2008) 『地球の歩き方E09 東アフリカ2008 - 2009』ダイヤモンド・ビッグ社発行、ダイヤモンド社発売、p.181〕 地域の広さはおおよそ東西70 km、南北30km であり〔篠原 (2005) p.81 によるが、篠原 (2002) p.129では東西約80km、南北約40km となっている。〕、面積は2354km2である〔〔〔記事本文の数値はエチオピア当局の世界遺産推薦書に基づくが、竹内啓一総編集 (2012) 『世界地名大事典3 中東・アフリカ』朝倉書店、p.411では、2274km2とされている。〕。標高の高い山がちな地形であり、伝統的集落の近くには、「ニューヨーク」と呼ばれる奇観が広がる。浸食作用が形成した絶壁の屹立するさまが、ニューヨークの摩天楼を髣髴とさせることからその名がついた〔。この「ニューヨーク」の見学にもカラティでの許可証発行が必要となる〔。 コンソ人は東クシ語族に属し〔〔、地域内には34の村があり、5つのグループに分かれている〔篠原 (2002) p.130〕。地域全体の人口は1994年の調査では約15万人〔篠原 (2002) p.129〕、2010年前後には約28万人で〔Ethiopia (2009) p.8〕〔Ethiopia (2011) p.9〕、1994年時点の人口構成はコンソ人87%、ガワダ人9%、アムハラ人・オロモ人各1%となっていた〔。なお、ガワダ人の居住地区は2007年にコンソ特別行政区から分離され、ガワダ特別行政区を形成している〔。宗教構成は人口構成と同じく1994年の数値になるが、伝統信仰66%、プロテスタント24%、エチオピア正教5%、その他となっている〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コンソ」の詳細全文を読む
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