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コントミン : ウィキペディア日本語版
クロルプロマジン

クロルプロマジン(''Chlorpromazine'')は、フランスの海軍外科医、生化学者アンリ・ラボリ (Henri Laborit, 1914-1995) が1952年に発見した、フェノチアジン系抗精神病薬である。精神安定剤としてはメジャートランキライザーに分類される。メチレンブルー同様、フェノチアジン系の化合物である。塩酸塩が医薬品として承認され利用されている。日本においてクロルプロマジンは劇薬に指定されている。
== 沿革 ==
1950年、フランスの製薬会社ローヌ・プーラン社(Rhône-Poulenc、現サノフィ・アベンティス)により抗ヒスタミン薬として開発されたものの、鎮静作用が強すぎる上、抗ヒスタミン作用が少ないと当時は評価された(整理番号は4560RP)。
ドパミン遮断剤のほか、古くからヒベルナシオン (hivernation) という麻酔前投与剤として知られていた。
1952年2月、外科医であったラボリが麻酔とクロルプロマジンを併用したところ、精神症状の変化に気づき、精神科治療での有用性を示唆した。同年3月に精神疾患患者でのクロルプロマジンの効果がみられ、その後1年の間にフランス全土で統合失調症に用いられるようになった。翌年にはヨーロッパ全土で用いられるようになった〔高橋一志. 向精神薬の今(1)抗精神薬. 日本医事新報 2014; 4709:14-21.〕。
クロルプロマジンの薬理作用は、ドパミン遮断効果(その作用機序は、脳内の中枢神経系で、興奮や妄想を生み出すと想定される、神経伝達物質ドパミンのD2受容体の回路を遮断する事にある)を有することは、ラボリの発見まで知られていなかった。
約12.5 mg程度で、乗物酔の防止効果と悪心の防止効果を生じ、精神神経疾患に対しては、アメリカ合衆国では1日あたりの投与量が 1,000 mg 程度のいわゆる『1キロ投与』が、統合失調症精神障害者治療に発明当初から広く使用された。ヒベルナシオンとしての麻酔前投与も古くから行なわれ、この用途では前記発明以前から知られていた。日本では、大阪地方裁判所昭和33年9月11日言渡:判例時報162号23頁)でクロルプロマジンの被告製法が迂回方法にならない(すなわち非侵害)と判断された。吉富製薬がその迂回発明に拠る製法特許を取得し、市場の西半分は「コントミン®」が占有し販売されている。ノバルティスの輸入品は「ウインタミン®」(塩野義製薬取次)の商標を使用している。
ドパミン遮断薬としては最も歴史が古く、その塩の成分により、前者の迂回発明による吉富製薬迂回製法によるクロルプロマジン剤と、塩野義製薬の正規輸入クロルプロマジン剤とで多少の差異があるものの、薬効には差異はみられない。なお、吉富製薬(現「田辺三菱製薬」)は、この当事者系特許侵害訴訟(塩野義製薬が原告で請求棄却)に勝訴し、日本でのクロルプロマジンのシェアを寡占状態近くにまでのばし、旧来の一流製薬企業に比肩することになった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「クロルプロマジン」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Chlorpromazine 」があります。



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