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コーヒー・ハウス(Coffeehouse)とは、17世紀半ばから18世紀にかけて、イギリスで流行した喫茶店で、社交場の機能も兼ね、大きな社会的役割を果した。 ==歴史== もともとコーヒーはイスラム世界に発するものであった。16世紀半ば、オスマン帝国(トルコ)の首都イスタンブルに世界で初めてコーヒーを提供する店が開業した〔小林前掲書P17〕。カフヴェハーネ(直訳すれば「コーヒーの家」)と呼ばれ、喫茶店兼社交場の機能を果たしていた。 ヨーロッパにコーヒーを提供する店が登場したのは(諸説あるものの)17世紀半ばのことで、イスラム世界との交通の要所であったヴェネツィアに初めて誕生したとも言われる〔小林前掲書P16-17〕。 オックスフォード、ロンドンにコーヒーを提供する店が生れたのは清教徒革命期である。1650年、ユダヤ人によりオックスフォードで開業された店がイギリスで最初のコーヒー・ハウスとされる〔小林前掲書P27〕。(オックスフォードでは、1654年に開業したクイーンズ・レイン・コーヒー・ハウスが現在も営業を続けている。) 1652年にはロンドンにもコーヒー・ハウスが開店し、王政復古(1660年)、ロンドン大火(1666年)の時期を経て増加し〔小林前掲書P42、44、86〕、多くの客のたまり場となった。コーヒー・ハウスでは酒を出さず、コーヒー、たばこを楽しみながら、新聞や雑誌を読んだり、客同士で政治談議や世間話をしたりしていた。こうした談義や世間話は、近代市民社会を支える世論を形成する重要な空間となり、イギリス民主主義の基盤としても機能したといわれる〔小林前掲書P262-263〕。(フランス革命においてカフェが果たした役割と比較される。) コーヒー・ハウスは、情報収集の場としても重要な役割を果たした。有名な店にギャラウェイ・コーヒー・ハウスがある。17世紀中頃、当時の金融センターであったロンドン・シティの取引所近くに開かれ、多くの商人が情報を求めて集まったという。また、ロイズ・コーヒー・ハウスには、船主たちが多く集まり、店では船舶情報を載せる「ロイズ・ニュース」を発行していた。店で船舶保険業務を取り扱うようになり、これがロイズ保険会社の起源である〔小林前掲書P188-199、英国紳士を虜にした、コーヒーハウスの近代史〕。 女性客が出入りすることはなく、男性客のみが対象であった〔小林前掲書P55〕。コーヒー・ハウスは活気ある社交場として栄えたが、18世紀後半以降は衰退して行き、酒場や宿屋に転業する店も多かったという〔小林前掲書P274〕。一方、1717年にイギリスで最初のティー・ハウスであるゴールデン・ライアンズが開店している。コーヒーに代わる非アルコール飲料として、紅茶が市民生活に定着していくことになる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コーヒー・ハウス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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