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コーリー・バクシ・柴田還元(コーリー・バクシ・しばたかんげん、Corey-Bakshi-Shibata reduction)は、キラルなオキサザボロリジンを触媒としてボランにより光学不活性ケトンを不斉還元して光学活性な2級アルコールを得る還元反応のことである。CBS還元と略されることも多い。1987年にイライアス・コーリー、ラマン・バクシ、柴田サイゾウによって報告された。オキサボロリジンを用いたは、これ以前の1981年に伊津野真一らによって報告されている。 CBS還元は、アキラルなケトンの不斉還元の信頼できる方法として、有機化学者に用いられてきた。特に、数多くの天然物合成に用いられるだけでなく、工業的な大スケール反応でも用いられている。詳しくは総説を参照のこと。 == 概要 == この還元反応の原型は1981年に伊津野真一らによって報告されたアミノ酸を還元して得られるアミノアルコールをボランとともに用いる不斉還元反応である〔。伊津野らは1983年にボランとアミノアルコールを2:1のモル比で反応させると最も高い光学純度で生成物のアルコールが得られること、還元の活性種はオキサザボロリジンにボランが配位したものと考えられることを報告していた。また1985年にはアルコールの結合した炭素上にフェニル基を2つ導入したアミノアルコールが特に高い光学純度で生成物を与えることを報告していた。コーリーらは伊津野らによって推定されていたオキサザボロリジンを実際に単離、構造決定し、これは触媒量使用するだけでも不斉還元が可能なこと、特にプロリンに2つフェニル基を導入したオキサザボロリジンが触媒活性、生成物の光学純度ともに優れていることを報告した〔〔。 触媒のオキサザボロリジンはアミノ酸から誘導したアミノアルコールとボランを混合するだけで調製することが可能である。ボランの代わりにブチルホウ酸や3,5-ビストリフルオロメチルフェニルホウ酸ジクロリドを使用する調製法も知られている。還元剤にはボランの他、カテコールボランも使用できる。カテコールボランはボランに比べると反応性が穏やかなため、副反応を抑えることができる。 オキサザボロリジンはケトンとボラン双方を活性化させることでこの反応を触媒する。ケトンはカルボニル酸素がルイス酸性を持つオキサザボロリジンのホウ素に配位して活性化され、一方還元剤のボランはルイス塩基性を持つオキサザボロリジンの窒素に配位して活性化される。反応のエナンチオ選択性はこのケトンの配位の際にかさ高い置換基がオキサザボロリジンのconcave面側にある方が立体反発が小さく、この状態で隣りの窒素上のボランが付加してくるというモデルで説明されている。 変法として''O''-アルキルオキシムをこの方法で還元して光学活性アミンを合成する方法がある。また、オキサザボロリジンをポリマーに結合させて触媒の再利用を容易にした方法も開発されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「コーリー・バクシ・柴田還元」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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