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ゴム堰 : ウィキペディア日本語版
ゴム引布製起伏堰[ごむひきぬのせいきふくぜき]

ゴム引布製起伏堰(ゴムひきぬのせいきふくぜき)は、ゴム引布製のチューブ空気を注入・排出することで起伏させるゴムラバーダムバルーンダムファブリダム®住友電気工業の登録商標)ともいう。
== 概要 ==
をせき止める目的でに建設される堰のうち、水門(ゲート)などの可動部分を持つものを可動堰といい、持たないものを固定堰という〔『土木用語大事典』680ページ。〕。可動堰のうち、上下動するゲートを持つものに対し、起伏するゲートを持つものを起伏堰という〔『土木用語大事典』250ページ。〕〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』373ページ。〕。起伏堰(転倒堰)は、ゲートを起こした(起立という)状態で水をせき止めておき、洪水などで増水した際に倒して(倒伏という)放流する〔『土木用語大事典』431ページ。〕〔『川の百科事典』500ページ。〕〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』403ページ。〕。起伏堰のうち、鋼鉄製のゲートを用いるものに対し、の形をしたゴム引布製のを用いるものがゴム引布製起伏堰である〔『川の百科事典』275ページ。〕。アメリカ合衆国・のノーマン・インバードソン(''Norman Imbertson'')が1956年に考案したもので、日本では1965年に導入を開始し、1993年には2,400もの施工例を数えるまでになった〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』402ページ。〕。設置の目的としては灌漑高潮に対する防潮堤レクリエーションなどが挙げられる〔。
ゴム引布製起伏堰の実体とも言えるゴム引布製のチューブは、専門的には袋体といい、その断面は形をしている〔。これに空気や水を送り込んだり、排出したりすることで起伏させる〔。操作に必要な機械はブロワーポンプといったものだけで済み、倒伏動作に限っては動力をまったく必要としない〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』402 - 403ページ。〕。設置やメンテナンスに必要な手間やコストが安いのが特長である〔。
チューブの寿命素材の耐久性や実際の運用実績からみて、少なくとも30間以上といわれる〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』404ページ。〕。川を流れる程度なら摩耗は少ないが、大きめのなどに対してはゴムを厚くしたり、素材を特殊な配合のゴムとしたり、クッションを配置するなどの工夫で対処する必要がある〔『改訂六版 農業土木ハンドブック 本編』403 - 404ページ。〕。
懸念される点は倒伏させる過程でVノッチ現象が発生することである〔。倒伏させる過程でチューブの高さが均一でなくなり、ある1点だけがアルファベットVの字形につぶれた状態となってしまう〔。すると放流水が一局集中し、放流量が過大なのもとなるため、護岸および護床の検討を行う際はこれを考慮する必要がある〔。これは空気で起伏するもの特有の問題である〔。
ゴム引布製起伏堰と鋼製起伏堰とを折衷したもの〔がゴム袋体支持式鋼製起伏堰であり、SR合成起伏堰、略してSR堰、あるいはハイブリッド起伏堰ともいう。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ゴム引布製起伏堰」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Inflatable rubber dam 」があります。



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