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サルモネラ病 : ウィキペディア日本語版
サルモネラ

サルモネラ (''Salmonella'') とは、グラム陰性通性嫌気性桿菌の腸内細菌科の一属(サルモネラ属)に属する細菌のこと。主にヒトや動物の消化管に生息する腸内細菌の一種であり、その一部はヒトや動物に感染して病原性を示す。ヒトに対して病原性を持つサルモネラ属の細菌は、三類感染症に指定されている腸チフスやパラチフスを起こすもの(チフス菌 ''S''. Typhiとパラチフス菌 ''S''. Paratyphi A)と、感染型食中毒を起こすもの(食中毒性サルモネラ:ネズミチフス菌''S''. Typhimuriumや腸炎菌''S''. Enteritidisなど)とに大別される。食品衛生の分野では、後者にあたる食中毒の原因となるサルモネラを特にサルモネラ属菌と呼ぶが、一般には、これらを指して狭義にサルモネラあるいはサルモネラ菌と呼ぶこともある。細胞内寄生性細菌であり、チフス菌やパラチフス菌は主にマクロファージに感染して菌血症を、それ以外の食中毒性サルモネラは腸管上皮細胞に感染して胃腸炎を起こす性質を持ち、この細胞内感染がサルモネラの病原性に関与している。
''Salmonella''という属名は、1885年アメリカでサルモネラ属の基準株であるブタコレラ菌 (''S''. Choleraesuis) を発見した細菌学者、にちなんで名付けられた。ただし、サルモネラ属に属する細菌の分離はそれ以前から行われており、ヒトに対する病原性サルモネラとして最初に分離されたのはチフス菌 (''S''. Typhi) である。チフス菌は1880年カール・エーベルトにより命名され、1884年ゲオルク・ガフキーがその純培養に成功した。'Salmonella'') とは、グラム陰性通性嫌気性桿菌の腸内細菌科の一属(サルモネラ属)に属する細菌のこと。主にヒトや動物の消化管に生息する腸内細菌の一種であり、その一部はヒトや動物に感染して病原性を示す。ヒトに対して病原性を持つサルモネラ属の細菌は、三類感染症に指定されている腸チフスやパラチフスを起こすもの(チフス菌 ''S''. Typhiとパラチフス菌 ''S''. Paratyphi A)と、感染型食中毒を起こすもの(食中毒性サルモネラ:ネズミチフス菌''S''. Typhimuriumや腸炎菌''S''. Enteritidisなど)とに大別される。食品衛生の分野では、後者にあたる食中毒の原因となるサルモネラを特にサルモネラ属菌と呼ぶが、一般には、これらを指して狭義にサルモネラあるいはサルモネラ菌と呼ぶこともある。細胞内寄生性細菌であり、チフス菌やパラチフス菌は主にマクロファージに感染して菌血症を、それ以外の食中毒性サルモネラは腸管上皮細胞に感染して胃腸炎を起こす性質を持ち、この細胞内感染がサルモネラの病原性に関与している。
''Salmonella''という属名は、1885年アメリカでサルモネラ属の基準株であるブタコレラ菌 (''S''. Choleraesuis) を発見した細菌学者、にちなんで名付けられた。ただし、サルモネラ属に属する細菌の分離はそれ以前から行われており、ヒトに対する病原性サルモネラとして最初に分離されたのはチフス菌 (''S''. Typhi) である。チフス菌は1880年カール・エーベルトにより命名され、1884年ゲオルク・ガフキーがその純培養に成功した。') とは、グラム陰性通性嫌気性桿菌の腸内細菌科の一属(サルモネラ属)に属する細菌のこと。主にヒトや動物の消化管に生息する腸内細菌の一種であり、その一部はヒトや動物に感染して病原性を示す。ヒトに対して病原性を持つサルモネラ属の細菌は、三類感染症に指定されている腸チフスやパラチフスを起こすもの(チフス菌 ''S''. Typhiとパラチフス菌 ''S''. Paratyphi A)と、感染型食中毒を起こすもの(食中毒性サルモネラ:ネズミチフス菌''S''. Typhimuriumや腸炎菌''S''. Enteritidisなど)とに大別される。食品衛生の分野では、後者にあたる食中毒の原因となるサルモネラを特にサルモネラ属菌と呼ぶが、一般には、これらを指して狭義にサルモネラあるいはサルモネラ菌と呼ぶこともある。細胞内寄生性細菌であり、チフス菌やパラチフス菌は主にマクロファージに感染して菌血症を、それ以外の食中毒性サルモネラは腸管上皮細胞に感染して胃腸炎を起こす性質を持ち、この細胞内感染がサルモネラの病原性に関与している。
''Salmonella''という属名は、1885年アメリカでサルモネラ属の基準株であるブタコレラ菌 (''S''. Choleraesuis) を発見した細菌学者、にちなんで名付けられた。ただし、サルモネラ属に属する細菌の分離はそれ以前から行われており、ヒトに対する病原性サルモネラとして最初に分離されたのはチフス菌 (''S''. Typhi) である。チフス菌は1880年カール・エーベルトにより命名され、1884年ゲオルク・ガフキーがその純培養に成功した。
== 細菌学的特徴 ==

サルモネラ属は、腸内細菌科(ブドウ糖を嫌気的に発酵する、芽胞を持たない、通性嫌気性のグラム陰性桿菌)に属する細菌であり、大きさは0.5 × 2 µmぐらいの棒状で周毛性鞭毛を持ち運動性がある。サルモネラ属の細菌は乳糖を分解せず、またほとんどの菌株は硫化水素を産生し、リジンを脱炭酸し、クエン酸を炭素源として利用できる。これらの生化学的性状は、同じ腸内細菌科の腸管病原性細菌(大腸菌赤痢菌など)と鑑別する上で重要である。また、サルモネラ菌はマラカイトグリーン胆汁酸亜セレン酸に抵抗性があるため、培地にこれらの物質を加えたものを選択培地として用いることで、サルモネラを優先的に検出することが可能である。熱や酸には弱いが乾燥や低温には強く、冷凍しても不活化しない。この性質は冷凍食品からもサルモネラ食中毒が発生するということに関連している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Salmonella 」があります。



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