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ザビード
ザビード()は、イエメンの西部に位置するフダイダ県に属する都市である。紅海から20kmほど内陸に位置している。豊かな農業生産と交易により、ザビードにはイエメンにおけるいくつかの王朝の首都が置かれたほか、宗教・学術の中心としても栄えた。しかし、16世紀後半以降街が衰微すると地域の中心はフダイダに移り〔松本(2002)、「ザビード」〕、以後のザビードは地方の小都市となっている。 13世紀から16世紀前半にかけて、イエメンだけではなくインド洋一帯のイスラーム諸地域における教育・宗教の中心地でもあったことから、1993年に「古都ザビード」としてUNESCOの世界遺産リスト(文化遺産)へ登録された。 == 地理 == ザビードは紅海沿岸にひろがるティハーマ平野に位置し、「ワーディー・ザビード」と「ワーディー・リマア」と呼ばれる2つのワジ(涸れ川)に挟まれた都市である〔栗山(2006)、p.67.〕。晩春と晩夏にはアフリカ大陸から吹く南西モンスーンの影響によってワジに水が流れるため、これを利用した農業が行われている〔。ザビードの街は紅海には面していないが、歴史的にアラビア半島の陸上交易路と紅海・インド洋の海上交易路を結ぶ結節点の役割を果たしてきた。またメッカへの巡礼路上に位置する交通の要衝でもあった〔栗山(2006)、p.68.〕。 ラスール朝期のザビードでは、綿花、アカネ、トウキビ、ゴマなどの作物が栽培されていた〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ザビード」の詳細全文を読む
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