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シェールガス(、頁岩気)は、頁岩(シェール)層から採取される天然ガス(天然気)。従来のガス田ではない場所から生産されることから、非在来型〔非在来型天然ガス Weblio辞書〕天然ガス資源と呼ばれる。 アメリカ合衆国では1990年代から新しい天然ガス資源として重要視されるようになった。また、カナダ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの潜在的シェールガス資源も注目され、2020年までに北米の天然ガス生産量のおよそ半分はシェールガスになると予想する研究者もいる〔Shaun Polczer, Shale expected to supply half of North America's gas , ''Calgary Herald'', 9 April 2009, accessed 27 August 2009.〕。 別の研究者は、シェールガス開発により世界のエネルギー供給量が大きく拡大すると予想している〔Clifford Krauss, "New way to tap gas may expand global supplies," ''New York Times'', 9 October 2009.〕。ライス大学ベーカー研究所の研究では、アメリカとカナダにおけるシェールガスの生産量の増加によってロシアとペルシャ湾岸諸国からヨーロッパ各国へのガス輸出価格が抑制されると結論付けた〔Rice University, News and Media Relations (8 May 2009): ''US-Canadian shale could neutralize Russian energy threat to Europeans'' , accessed 27 May 2009.〕。2009年の米中シェールガス・イニシアティブにおいてアメリカのオバマ大統領は、シェールガス開発は温室効果ガス排出量を減らすことができるとの見解を示した〔White House, Office of the Press Secretary, ''Statement on U.S.-China shale gas resource initiative , 17 November 2009.〕。しかしその後シェールガスの温室効果ガス排出量が、従来の天然ガスや石油よりも大きくなるとの指摘が学会から上がるようになった〔Council of Scientific Society Presidents, , letter to President Obama(Council of Scientific Society Presidentsからオバマ大統領への手紙)2009年5月4日(英語)〕。 ==特徴== シェールガスを含む頁岩は、泥岩の一種で硬く薄片状にはがれる性質をもち、粒子が細かく流体を通す隙間がほとんどないので、自然の状態では天然ガスの商用資源とはなりえない。また、貯留層が砂岩である在来型の天然ガスと異なり、泥岩に貯留することから、コールベッドメタン (CBM)、タイトガスサンド、メタンハイドレートとともに非在来型の天然ガス資源のひとつとされている。シェールガスの埋蔵エリアを資源プレイ〔プレイ (Play) とは地質学的に共通性をもった探鉱対象のまとまりのこと。:en:Petroleum play参照。〕と呼ぶこともある〔Dan Jarvie, "Worldwide shale resource plays," PDF file, ''NAPE Forum'', 26 August 2008.〕。資源プレイでは、ガスが発見されなかった場合の地理学的なリスクは低いが、ガスが発見され商用に成功した場合の期待利益も同様に低い。 頁岩は浸透率が低いので、商用量のガスを生産するためには人工的にガス採取用のフラクチャー(割れ目)をつくる必要がある。過去、シェールガスは頁岩層に自然にできた割れ目から採取されていたが、2000年代に入ってから水圧破砕法によって坑井に人工的に大きな割れ目をつくってガスを採取する技術が確立し、更に頁岩層に接している坑井の表面積を最大にするためにという技法でもの長さの横穴を掘ることが可能となった。これらの技術進歩の結果シェールガス生産量が飛躍的に増加し、シェールガスブーム、シェールガス革命などと呼ばれるようになった。 商業的数量のガスをもつシェール層は通常有機物に富んでおり(0.5 % から 25 %)〔US Department of Energy, "Modern shale gas development in the United States," April 2009, p.17.〕、石油根源岩でもある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「シェールガス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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