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シャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease: CMT)は、下腿と足の筋萎縮と感覚障害を特徴とし、進行すると上肢や手にも障害を生じる、神経原性筋萎縮である〔イヤーノート 2015: 内科・外科編 J-177 メディック・メディア ISBN 978-4896325102〕。遺伝性運動性感覚性ニューロパチー(Hereditary Motor and Sensory Neuropathy: HMSN)、腓骨筋萎縮症(peroneal muscular atrophy)とも呼ばれる。遺伝性ニューロパチーの代表疾患である〔〔病気がみえるVol.7 メディックメディア社発行 P330 ISBN 978-4896323580〕。 == 概念 == シャルコー・マリー・トゥース病では、遺伝子異常が存在するため、神経が正常に機能するために必要な物質が発現しなくなる。そのため、神経の軸索もしくは髄鞘(ミエリン鞘)に異常が生じ、症状が現れるのだと考えられている。 主に、初期に脱髄型のニューロパチーを示す群(CMT1, CMT3, and CMT4: HMSN type1)と、初期に軸索障害型のニューロパチーを示す群 (CMT2: HMSN type2)とに大別されることが多い。しかし最近の研究によると、髄鞘形成に重要な役割を果たすシュワン細胞と神経細胞との間には密接な相互作用があり、しばしば脱髄・軸索障害の両者とが混在した病理所見を示すものがあることが判明している。 神経の分子構造は、神経細胞・シュワン細胞・線維芽細胞の相互作用により決定されており、特に神経細胞とシュワン細胞は相互にシグナルをやり取りし、神経細胞の生存と分化とに関与している。シャルコー・マリー・トゥース病では、この神経細胞とシュワン細胞間の相互作用が阻害されていることが知られている。 神経細胞と脱髄をおこしたシュワン細胞とが相互作用することにより、軸索の構造や機能にまで異常が生じることはわかっている。しかし、その結果なぜシャルコー・マリー・トゥース病が生じるのかは、未だに不明である。軸索の変性によって、または脱髄に伴う軸索の機能障害のために、筋力低下や感覚障害が生じている可能性はある。 脱髄型ニューロパチーを示す患者では、神経伝導速度(nerve conduction velocity: NCV)の低下が特徴的である〔〔。対して、軸索障害型ニューロパチーを示す患者では、複合筋活動電位(compound muscle action potential: CMAP)の低下が見られ、神経伝導速度は正常もしくはやや低下する程度である。 シャルコー・マリー・トゥース病は1867年、シャルコー(Jean-Martin Charcot(1825-1893))とその弟子であるマリー(Pierre Marie(1853-1940))およびトゥース(Howard Henry Tooth(1856-1925))によって報告された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「シャルコー・マリー・トゥース病」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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