|
N,N-ジメチルアニリン (''N'',''N''-dimethylaniline) は、アニリンから誘導される有機化合物である。ベンゼン環と、2個のメチル基で置換されたアミノ基(ジメチルアミノ基、第3級アミンとフェニル基から構成される)からなる。アミン臭を持つ有毒な油状の液体で、溶媒や合成の原料として使われる。純物質は無色であるが、販売されている液体は黄色である。クリスタルバイオレットなどの染料の前駆体として重要である。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する〔法規情報 (東京化成工業株式会社)〕。 == 合成と反応 == ジメチルアニリンは1850年、アウグスト・ヴィルヘルム・フォン・ホフマンがアニリンとヨードメタンを加熱して初めて合成した。 :C6H5NH2 + 2 CH3I → C6H5N(CH3)2 + 2 HI 現在、工業的にはアニリンとメタノールを硫酸を触媒として縮合させ(アルキル化)、生じる硫酸塩を塩基で中和して得る〔。 :C6H5NH2 + 2 CH3OH → C6H5N(CH3)2 + 2 H2O また同様にジメチルエーテルを使用してメチル化で合成することもできる。 ジメチルアニリンはアニリンと同様に弱塩基や攻撃的な求電子剤としての性質を示す。混酸とニトロ化(英語版)するとテトリルを生成する。これは4個のニトロ基を持ち、爆発性を示す。またN-ブチルリチウムでリチウム化することができる。メチル化する物質はアミンを攻撃し、第4級アンモニウム塩を生ずる。 :C6H5N(CH3)2 + (CH3O)2SO2 → C6H5N(CH3)3CH3OSO3 また、氷冷下でスルファニル酸を亜硝酸ナトリウムでジアゾ化して作ったスルファニル酸のジアゾニウム塩溶液にN,N-ジメチルアニリン塩酸塩溶液を加えてジアゾカップリングさせると、酸塩基指示薬のメチルオレンジが合成できる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジメチルアニリン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|