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ジャスモン酸 : ウィキペディア日本語版
ジャスモン酸[じゃすもんさん]

ジャスモン酸(ジャスモンさん、jasmonic acid)は植物ホルモン様物質。果実の熟化や老化促進、休眠打破などを誘導する。また傷害などのストレスに対応して合成されることからエチレンアブシジン酸サリチル酸などと同様に環境ストレスへの耐性誘導ホルモンとして知られている。
分子式 C12H18O3。略称 JA
1962年に Demoleらがジャスミンの花から得られるジャスミン油から香気成分としてジャスモン酸のメチルエステルであるジャスモン酸メチルを単離した。さらに1971年にD. C. Aldridgeらが糸状菌の一種から二次代謝産物の1つとしてジャスモン酸本体を単離している。類縁体としては香料に使われるジヒドロジャスモン酸メチルやアルキル基がヒドロキシ化されたツベロン酸などがある。
果物の害虫であるナシヒメシンクイの雄はエピジャスモン酸メチルを性フェロモンとして用いているが、これは幼虫及び成虫が摂取する植物由来であると考えられている。
== 植物体内での合成 ==
植物体内ではジャスモン酸はα-リノレン酸から過酸化環化β酸化を介して合成される。このリノレン酸カスケードにおける律速段階は最初の反応の過酸化で、触媒する酵素はリポキシゲナーゼである。続いてヒドロペルオキシドデヒドラーゼによりエポキシ化し、アレンオキシドシクラーゼによる環化、リダクターゼによる五員環の還元ののちβ酸化を繰り返してシス体のエピジャスモン酸が生産される。このエピジャスモン酸は熱力学的に不安定であり、トランス体のジャスモン酸へ異性化する。ただし、植物ホルモンとしての活性はシス体のエピジャスモン酸にある。
ジャスモン酸は植物体内のどこでも合成されるが、隣接する場所だけでなく離れた場所にも輸送される。植物個体間での移動は昆虫による摂食傷害を受けた際などに起き、ジャスモン酸メチルに変換されることによって揮発性を上げ、飛散してシグナルを伝達する。これがいわゆる「植物の悲鳴物質」(の1つ)である。
また、環境ストレス(乾燥や塩などによる水(浸透圧)ストレスや、栄養が不十分な場合、その他傷害を受けた場合など)に応答して合成が促進される。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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