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ジュール=トムソン効果 : ウィキペディア日本語版
ジュール=トムソン効果[じゅーる=とむそんこうか]

ジュール=トムソン効果(ジュール=トムソンこうか、〔『学術用語集 物理学編』〕)とは、多孔質壁を通して両側の圧力を一定に保ちながら膨張させた時に温度が変化することである。1852年に観測された現象に対して、ジェームズ・プレスコット・ジュールウィリアム・トムソン(ケルビン卿)によって1861年に提唱された。この現象は気体液化などに応用されており、1908年ヘイケ・カメルリング・オネスはこの効果を利用してヘリウムの液化できる温度0.9Kを達成した。
この膨張の過程はジュール=トムソン膨張(〔)と呼ばれる。膨張に伴って温度が下降するか、上昇するかは膨張前の温度によって決まり、温度の上昇と下降が入れ替わる温度は逆転温度と呼ばれる。
== 概要 ==
ジュール=トムソン膨張は、多孔質壁を介して気体の入る2つの部屋をつなぎ、2つの部屋それぞれの圧力を均一に保つ条件のもと、一方の部屋から他方へと気体を押し出すというものである。例えば圧力レギュレータで一定圧力に調整されたガスを多孔質を通して大気へ開放する状況がこれに当てはまる。このとき、終状態の圧力は始状態の圧力よりも必ず低くなる。ジュール=トムソン効果は分子間距離が増大する際、分子間力に対して仕事をするために起こる。そのため理想気体ではこの現象は起こらない。高圧の気体の冷却効果として重要である。また、液化した気体の気化熱による冷却や断熱膨張による冷却とは区別する必要がある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ジュール=トムソン効果」の詳細全文を読む



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