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ジョイント・ストック・カンパニー : ウィキペディア日本語版
ジョイント・ストック・カンパニー
ジョイント・ストック・カンパニー()は、イギリスアメリカにおける企業形態のひとつ。両国の近代的な株式会社(、、、、)の起源とされる企業形態であり、会社の出資持分が譲渡可能な株式(shares of stock)の形で出資者(株主)に所有される等、株式会社に類似する特徴を有するが、両者は概念的にも制度上も区別される。日本語では、「株式社団」「合本会社」などと訳すこともある(日本語訳については、後述#日本語訳参照)。
なお、イギリスやアメリカ以外の国の会社形態のひとつとして「joint stock company」の訳語が当てられる例(詳細は後述)もあるが、本項では、主としてイギリス(およびイギリスに起源をもつアメリカ)の企業形態〔大塚久雄のいう「特殊イギリス的な会社形態」である。〕を扱う。
== 概要 ==
しばしば株式会社と同視されることもあるように、ジョイント・ストック・カンパニーは、譲渡可能な株式によって出資持分が出資者(株主)に所有される企業形態であり、その歴史は、1553年に設立されたイギリスのロシア会社(Russia Company)に遡る〔永田(1972)35頁〕。機関構成や株主の地位、法制上の位置づけなどは、時代や地域によって異なる。歴史的には同一の起源を有するものの、イギリスのジョイント・ストック・カンパニーとアメリカのジョイント・ストック・カンパニーでは、その実体や法制上の位置づけに違いがあり、両者は別の企業形態だと指摘される〔永田(1972)42頁〕。例えば、イギリスにおいては、一定の要件を満たした「ジョイント・ストック・カンパニー」は、会社法(Companies Act)に基づいて設立された株式会社(company imited by shares)と同一の企業形態として位置付けられており、その場合の「ジョイント・ストック・カンパニー」は、実体上は古い呼称を有した株式会社にすぎない。他方、アメリカでは、会社法制上、株式会社(corporation)とは完全に区別された企業形態である。
このように、「株式会社」と一応区別される「ジョイント・ストック・カンパニー」も、概念的に(あるいは、理念上)「株式会社」に含まれると考える見解も存在する〔例えば、柿沢(1999)2頁以下では、「社員としての特定の諸人格からは自立している会社企業が株式会社である」との前提に立ち、ジョイント・ストック・カンパニーは株式会社であるとする。〕。ただし、日本の株式会社はもとより、イギリスにおいて一般的に「株式会社」に相当する株式有限責任会社(company limited by shares)や、アメリカにおいて一般的に「株式会社」に相当するコーポレーション(corporation、特にstock corporationやbusiness corporation)とも異なった企業形態である。したがって、ジョイント・ストック・カンパニーが概念上「株式会社」に含まれるかどうかは、「株式会社」の本質論によって決まるとしても、少なくとも、「ジョイント・ストック・カンパニー」と「株式会社」は同一の概念ではない(#日本語訳も参照)。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ジョイント・ストック・カンパニー」の詳細全文を読む



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