翻訳と辞書 |
ジョン・メイナード=スミス : ウィキペディア日本語版 | ジョン・メイナード=スミス
ジョン・メイナード=スミス (John Maynard Smith, 1920年1月6日 - 2004年4月19日) はイギリスの生物学者。20世紀の生物学において最も影響を与えた研究者の一人。生物学の分野にゲーム理論などの数学的な理論を導入した先駆的存在で、進化生物学の第一人者であり「血縁淘汰」や「進化的に安定な戦略」 (ESS) などの概念・理論により、性、行動、老化などの進化生物学に大きな業績を残した。その数学的貢献と斬新な数理モデルは、多くの分野に影響を与えた。ロンドン王立協会会員。 == 功績 == 生物学的な貢献としては、当時最先端の解決ロジックであるゲーム理論を進化生物学にいち早く応用し、これにより生物の進化や行動における戦略的な側面をダイレクトに捕捉することを可能にすると共に、進化生物学・動物行動学の分析を非常に幅広くすることに成功した。また、生物学上難問とされていた問題に対して多くの解を提供し、数々の斬新な数理モデルの着想、問題が持つ仮定を浮き彫りにした。この貢献は、進化生物学を始めとする多くの生物学における分野を発展させる基礎となり、また、研究の灯台として多くの問題を残した。 数学的な貢献は多数ある。特に、ジョージ・プライスとともに数学的分析のロジックとしてのゲーム理論における新しい均衡である「進化的に安定な戦略」 (ESS) を考案し、ESSを多用する進化ゲーム理論を立脚させたことは重要である。ESSは経済学にいち早く導入され、多くの経済現象に均衡解を与えるのに成功しており、進化ゲームに恩恵を受けた経済学者にはノーベル賞候補と目される人間が多くいる。心理学においてESSは学習理論に取り入れられ、大きな革新をもたらした。その他にもESSはゲーム理論を用いる全ての分野に取り入れられている。彼の受賞歴を見れば、その業績がどれほど重要であったかは一目瞭然であろう。1991年から1993年までヨーロッパ進化生物学会の会長を務めた。学会は彼の栄誉を讃え、ジョン・メイナード=スミス賞を1997年に設立している。ノーベル経済学賞に長年ノミネートされていたとも言われており、メイナード=スミスが死去した翌年のノーベル経済学賞はゲーム理論に対して贈られた。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジョン・メイナード=スミス」の詳細全文を読む
スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース |
Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.
|
|