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スウェーディッシュ・ヴァルフント(英:Swedish Vallhund)は、スウェーデン原産の牧牛犬種のひとつである。別名はウエスト・ゴーダー・スペッツ(瑞典:Västgötaspets)など。 スウェーディッシュ・ヴァルハウンドと呼ばれることもあるが、普及しているもののその呼び名は不適切で正しくない。「ハウンド」のスペルは「hound」であり、フント「hund」ではない。このように呼ばれるようになったのは誤訳が原因ではないかといわれているが、詳しいことはわかっていない。ちなみに、ヴァルフントは容姿・性質ともにハウンド種ではなく牧羊犬種そのものである。 スウェーディッシュ・ヴァルフントという名は、「スウェーデンの農場の犬」を意味している。 == 歴史 == 8世紀にはすでに犬種として存在しており、スウェーデンの農地で牛を管理・誘導するために使われていた。来歴にはバイキングが関わっており、「バイキングの犬」(或いは海賊の犬)として名高いが、元からスウェーデンで飼育されていた牧牛犬種でそれをバイキングが伴うようになったのか、バイキングが飼育していたものをスウェーデンの農民へ譲渡したものなのか、いまだによくわかっていない。 生い立ちは2種のウェルシュ・コーギー(ペンブローク及びカーディガン)と密接なかかわりがあり、ヴァルフントが先祖になってコーギーが生まれたのか、コーギーが先祖になってヴァルフントが生まれたのか、どちらの説が正しいかいまだ不詳で、犬種暦学者が解明を急いでいる。 生い立ちの仮説は2つの説がある。そのひとつであるヴァルフント先祖説は、元からバイキングがヴァルフントを連れていて、それとともにウェールズに侵略に向かった際に一部が置き去りにされ、それがコーギーとなったという説である。もうひとつの仮説であるコーギー先祖説は、バイキングがウェールズを侵略した際、優秀な能力を見初められたコーギーが連れ去られ、それが改良されてヴァルフントが誕生したという説である。現在はこの2つの仮説のうち、ヴァルフント先祖説のほうが優勢であるとみなされている。 主に牧牛犬と番犬として用いられていた。暴れる牛や言うことを聞かず自分勝手な行動をする牛に対しても物怖じすることは無く、コーギーと同じく牛のかかとを軽くかんで驚かせ、従わせることができる。このように牛のかかとを噛んでコントロールすることができる犬種のことを「ヒーラー」という。番犬としては農場を侵入者から守るのに使われた。 有能な犬種であったが、牧畜作業の機械化や農地の縮小などにより仕事が無くなり頭数は減少、1942年には絶滅の危機に陥った。しかし、絶滅寸前であることが発表されてからまもなくビョルン・フォン・ローゼン伯爵を中心とする愛好家が再興活動を開始し、生き残った犬を集めてブリーディングし、なんとか絶滅を免れることができた。 現在はFCIに公認犬種として登録され、スウェーデン国外でもペットやショードッグとして人気のある犬種となっている。ヨーロッパ圏ではよく見かけることができる犬種であるとされていて、原産国でも人気があり親しまれている。ヨーロッパ圏外ではあまり飼育されていない犬種ではあるが、コーギーの親戚としてやや知名度がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スウェーディッシュ・ヴァルフント」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Swedish Vallhund 」があります。 スポンサード リンク
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