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ステネボイア : ウィキペディア日本語版
ステネボイア
ステネボイア()は、ギリシア神話の女性である。リュキアイオバテースの娘、あるいはアムピナクスの娘で〔アポロドーロス、2巻2・1。〕、ピロノエーと姉妹〔アポロドーロス、2巻3・2。〕。あるいはアルカディアアペイダースの娘で、テゲアーアレオスと兄弟〔アポロドーロス、3巻9・1。〕。ホメーロスによればステネボイアはアンテイアという名である〔『イーリアス』6巻。〕。ティーリュンスプロイトスの妻となり、イーピノエーイーピアナッサリューシッペーメガペンテースを生んだ〔アポロドーロス、2巻2・2。〕。
エウリーピデース悲劇『ステネボイア』を書いたが散逸した。
== 神話 ==
ステネボイアは、プロイトスがアクリシオスとの戦いに敗れて追放され、父イオバテースのもとに身を寄せている間にプロイトスと結婚した。この結果、プロイトスはイオバテースの援助を得て、リュキア軍とともにアルゴスに帰還し、ティーリュンスを得て支配した。
しかし後にコリントスを追放されたベレロポーンがプロイトスのもとに身を寄せたとき、ステネボイアはベレロポーンに恋をし、ベレロポーンを誘惑する手紙を送った。しかしベレロポーンが断ると、ステネボイアはプロイトスにベレロポーンが自分に誘惑する手紙を送ってきたと讒言した。このためプロイトスはイオバテースにベレロポーンを殺してほしいと手紙に記し、ベレロポーンに渡してイオバテースの使いに出した。手紙を読んだイオバテースはベレロポーンにキマイラ退治などの難題を課したが、ベレロポーンがそれらの難題をやり遂げたとき、イオバテースはベレロポーンと自分の娘ピロノエーとを結婚させた〔アポロドーロス、2巻3・1~3・2。〕。しかしそれを知ったステネボイアは自殺したという〔ヒュギーヌス、57、243。〕。
エウリーピデースの悲劇『ステネボイア』の古伝梗概によると、キマイラを退治したベレロポーンはティーリュンスに戻り、ステネボイアに殺すと脅した。このためステネボイアが再び策略を企むと、ベレロポーンはステネボイアを捕らえ、ペーガソスに乗せて飛び立ち、メーロス島まで来たときに海に落として殺した。ステネボイアの遺体は漁師によってプロイトスの王宮に運ばれたという〔エウリーピデース『ステネボイア』古伝梗概。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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