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値幅制限(ねはばせいげん)とは、株価の異常な暴騰・暴落を防ぐために、株価が1日に変動できる上下の幅を制限するものである。 この値幅制限の上限まで株価が上昇することをストップ高、下限まで下落することをストップ安という。 == 概説 == 値幅制限は、証券取引所の役割である適正な株価の形成と、不測の損害からの投資家保護という目的のもと制定されている。 前営業日の終値(特別気配のまま引けた場合は最終気配値)を基準株価とし、この基準株価から1日に変動できる上下の幅を定めている。 値幅制限の具体的な効果としては、ここまでしか株価は上がらない・下がらないというリミッターが機能することにより異常な値動きを物理的に防止する効果と、リミッターが存在する事によって投資家の恐怖感・過熱感が和らげられパニック売りなど正常な判断力の失われた取引を抑制する心理的な効果がある。 また、ストップ高・ストップ安のまま取引が引けた場合は、そこで株価を留めたまま一日置くことで過熱した投資家心理をクールダウンさせる効果も持つ。 現在の日本の証券取引所では全ての上場銘柄に値幅制限が適用されているが、かつてJASDAQが行っていたマーケットメイク銘柄では値幅制限が存在しなかった。これはマーケットメイカーが適切な気配値を提示するシステムであったためであり、値幅制限に代わり、30%以上の株価変動があった場合に15分間の取引停止となるサーキットブレイクという制度が設けられていた。 これは相場の沈静化を促すための手段であったが、実際にはサーキットブレイク解除後も相場が沈静化しないケースも多く、通常の値幅制限のある銘柄とは比較にならないほどの暴騰・暴落を引き起こす銘柄が続出した。サーキットブレイク制度はこのような出来高の多くない新興銘柄に対しては満足に機能したとは言えない結果に終わった。 非上場企業の株式が売買されるグリーンシート制度内の銘柄においても気配値を提示するスタイルであることからマーケットメイク同様に値幅制限は存在しない。 なお、日本国外の証券取引所では、値幅制限を採用していない取引所もあり、日本とは制度が違うため売買においては注意が必要である(後記の日本以外の証券市場を参照)。 値幅制限のない証券取引所は、株式の流動性が高まる、IR等の情報が短時間で株価に反映されるなどの利点を有しているが、その反面、2015年5月20日と6月3日に値幅制限のない香港証券取引所で、一部の銘柄がわずかな時間で60%超の暴落を引き起こすといった一例も発生するなど、株価形成や投資家保護の面で欠点を有している。中でも、ザラ場の値動きに対処することが難しい会社員などの個人投資家は、よりこうした欠点の影響を受けやすく不利を被る可能性が高い。 日本では2010年初めに新システム「arrowhead(アローヘッド)」の運用を開始したことに伴い値幅制限の改正が行われ、多くの価格帯で値幅制限が拡大された。 この「arrowhead(アローヘッド)」の導入により、数百分の一秒単位での高速取引・アルゴリズム取引が機関投資家の手によって行われるようになったが、その結果、昔では見られなかったような株価の乱高下が発生しやすくなっており、小型株・大型株問わず全体として株価の変動幅は以前よりも大きくなっていると見られている。 このようなコンピュータ取引をふまえた近年の株式市場では、値幅制限の重要性は一層高まってきているという見方もある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「値幅制限」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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