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ストリキニーネ (strychnine) はインドールアルカロイドの一種。非常に毒性が強い。IUPAC許容慣用名はストリキニジン-10-オン strychnidin-10-one。ドイツ語ではストリキニン (Strychnin)。化学式はC21H22N2O2、CAS登録番号は57-24-9。1948年にロバート・バーンズ・ウッドワードにより構造が決定され〔Woodward, R. B.; Brehm, W. J. (1948). "The structure of strychnine. Formulation of the ''neo'' bases." ''J. Am. Chem. Soc.'' 70: 2107–2115. .〕、1954年に同じくウッドワードにより全合成された〔Woodward, R. B.; Cava, M. P.; Ollis, W. D.; Hunger, A.; Daeniker, H. U.; Schenker, K. (1954). "The total synthesis of strychnine." ''J. Am. Chem. Soc.'' 76: 4749–4751. .〕。化合物の絶対配置は1956年にX線結晶構造解析により決定された。 主にマチン科の樹木マチンの種子から得られ、1819年にマチンの学名 ''Strychinos nux-vomica'' にちなみ命名された。主に齧歯類(げっしるい)のような小動物を殺すのに用いられる。名称が似るが、キニーネとは全くの別物である。 単体は無色柱状結晶で、熱湯に溶けやすくアルコール、クロロホルムに少し溶ける。極めて強い苦味を持つ(1ppm程度でも苦味が認識できる)ため、医学においては苦味健胃薬として用いられる。 ストリキニーネは天然ではトリプトファンから生合成されている。ストリキニーネの2,3位にメトキシ基 (CH3O−) が付いた化合物はブルシン (brucine) といい、同じくマチンに含まれるが、毒性はストリキニーネの約20から30分の1とされる。 ストリキニーネは、 脊髄や脳に存在するリガンド作動性Cl-チャネルであるグリシンレセプター (GlyR) に対してアンタゴニストとして作用する。 毒物及び劇物取締法により毒物に指定されている〔毒物及び劇物指定令 昭和四十年一月四日 政令第二号 第一条 十七の二 〕。 ==中毒症状== ストリキニーネは脊髄に対する強力な中枢興奮作用を持つ(抑制系シナプスの抑制による)。摂取から30分ほどで激しい強直性痙攣、後弓反張(体が弓形に反る)、痙笑(顔筋の痙攣により笑ったような顔になる)が起こるが、これは破傷風の症状に類似している。また、刺激により痙攣が誘発されるのが特徴。最悪の場合、呼吸麻痺で死に至る。なお、心循環系、消化器系には影響を与えない。痙攣に伴い、横紋筋融解によりミオグロビン尿が出る。ヒトの致死量には個人差があり、成人の最小致死量は 30-120mg だが、3.75g 摂取して生存したケースも報告されている〔INCHEM: Chemical Safety Information from Intergovernmental Organizations:Strychnine. http://www.inchem.org/documents/pims/chemical/pim507.htm〕。 治療においては、まず患者に刺激を与えないようにして鎮静剤(ジアゼパムなど)、筋弛緩剤を投与し、痙攣の防止と気道の確保を行う。ストリキニーネの体内での分解は早いので、中毒から24時間を過ぎれば予後の生存率は高くなる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ストリキニーネ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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