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ストリゴラクトン(Strigolactones)は植物から得られる一群のラクトン構造を有するカロテノイド誘導体で、分枝を抑制する機能を持つ〔植物の枝分かれを制御する新しいホルモンを発見―作物の実りを確かにし、根寄生雑草の防除への応用も期待― 、理化学研究所、1998年8月11日〕。初め半寄生植物のストライガ''Striga''属(従来の分類ではゴマノハグサ科、APG植物分類体系ではハマウツボ科)の発芽を誘導する物質として発見され命名されたが、その後シロイヌナズナやコケ植物などからも発見されている。 コケ植物やシダ植物(胞子体・配偶体の双方)も含めた陸上植物の80%と共生関係を結んでいるとも見積もられているアーバスキュラー菌根菌の菌糸を呼び寄せて共生を促進する作用、カリキンと関係を持ち、発芽促進作用を有することなどが発見されている。 以上の生理作用の組み合わせから、ストリゴラクトンはリン欠乏条件下でアーバスキュラー菌根菌との共生を促進することでリンの獲得に勤めるとともに植物体の分岐を抑制してリン消費の節約を図る情報伝達物質だと考えられており、これが非菌栄養型植物でアーバスキュラー菌根菌との共生能力を欠くアブラナ科のシロイヌナズナにおいてもストリゴラクトン生産形質が発現している理由だと考えられている(分岐抑制によるリン節約機能の適応的意味は十分ある)。また、ストライガの様なハマウツボ科寄生植物は、アーバスキュラー菌根菌を呼び寄せる信号を利用して宿主探知に役立てていることになる。 ストリゴラクトンの分枝抑制作用については、アフリカを中心に作物に多大な被害を与えているストリガ属の防除法開発につながる可能性がある。 2012年現在、ストリゴラクトンの受容体タンパク質は植物ホルモンの中では唯一不明である。 == 構造 == 以下にストリゴラクトン類の構造を示す。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ストリゴラクトン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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