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スピリチュアリティは英語:Spiritualityのカタカナ表記で、訳語には「霊性」〔『新カトリック大事典』4巻、研究社、1375-1378頁、「霊性」(奥村一郎、高柳俊一執筆)〕〔三省堂大辞林では、宗教、特にカトリック教会における宗教心のあり方やその伝統を指す用語として紹介されている。三省堂大辞林 霊性 〕〔や「精神性」などがある〔。ただし、キリスト教などの組織的な伝統宗教からは離れて個々人が霊性に目覚める〔ような新しい文化運動・宗教現象などについて1990年代以降はカタカナ表記される方が優勢である〔島薗進「ニューエイジ系宗教」『宗教の事典』朝倉書店、472-473頁、2012年。〕〔伊藤雅之、J.A.ベックフォードによる(『宗教学事典』丸善、平成22年、20-21頁)。〕〔。霊性や精神世界やスピリチュアリズム(心霊主義)に関わる意味ではスピリチュアル(霊的)ともよばれる〔。 近年は宗教学以外でも心理学や、ターミナルケア(終末医療)などの医療ケアにおいて、人の幸せや生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)と関連して重要な概念とみなされている〔。また、ニューエイジ霊術系の新宗教、癒やしやセラピー、コンサートやワールドカップ応援など強い神秘性や超越的な権威が認められる現象、アニメ、映画、ゲーム、教育などでもスピリチュアリティという言葉が用いられる〔。スピリチュアリティの意味や、用語として使用する際の理論的および実践的文脈は、分野やテーマによっても相当に異なる〔。 == スピリチュアリティへのアプローチ == 「スピリチュアリティ」は日本人にはなじみのない概念であり、日本語で明確に説明できないこともあり、日本では一般における認知度はあまり高くない〔〔。スピリチュアリティを使うのは医師、心理学者、宗教家などの専門家で、一般的にはほとんど使っていないという分析もある〔。 宗教学者・生命倫理学者の安藤泰至によれば、「スピリチュアリティ」という語を用いる人々は大きく三つに分けることができる〔。 #医療・福祉・教育・心理療法など広義のヒューマンケアに関わる人々で、スピリチュアリティの実践的重要性を重視する人々 #従来の宗教概念では捉えきれない現代社会の現象をスピリチュアリティという理論的分析概念で読み解く宗教学者 #従来の宗教に替わるような新しい自己=霊性探究の運動における一種のスローガンとして用いるニューエイジや新霊性運動の主唱者 これら三つのグループが用いる「スピリチュアリティ」概念はそれぞれかなり異なるが、相互に影響を及ぼしてもいる〔。とりわけ第一の専門家グループでは、実践的な関心が主となるために、スピリチュアリティの多義性や、自分たちと異なる理解にはほとんど関心を示さなかったり、役に立たない思弁として敬遠する傾向が強いと安藤はいう〔。 スピリチュアリティに対してそれぞれが関心に従って機能的な定義を与え、あいまいな部分を切り落とそうと試みるが、各分野における用法は独立したものではなく、相互に影響を与え合っており、それ故に曖昧さが残り続けると述べている〔。最も根本的なものとして、宗教との関係のあいまいさが挙げられる。両者の関係として、安藤泰至は次の4つをあげている。 # 「スピリチュアリティ」を「宗教」を含んだ広い概念としてとらえる。 # 重なる部分はあるが、とりあえず区別できるとする。 # 「宗教」のひとつの本質的な要素として「スピリチュアリティ」をとらえる。 # ふたつは別のものとする。 ある特定の立場からのスピリチュアリティの理解やその概念には、1~4の見方が複数混在している場合がある。「宗教」をある箇所では「人間の宗教性」とし、別の個所では制度的・文化的な意味での「宗教」と捉えるなど、異なった次元において「スピリチュアリティ」と対比されるためである。安藤泰至は、医療においては2の捉え方が多いが、その重なりをどの程度とするかは、日本とキリスト教圏(特に英語圏)では大きな差があり、キリスト教圏においては重なりは大きいと述べている〔。日本では伝統宗教の影響が小さいため、「スピリチュアリティ」と「宗教」との重なりを小さいものとし、意識的に宗教と距離を置いた形で専門職によってスピリチュアリティ概念が提唱されている。この場合、「生(や死)の意味の目的の追求」といった側面が強調され、「超越的次元の存在、自覚」のような宗教に近い側面は面に出さない傾向が強い〔。これは、オウム真理教事件以降の宗教のイメージの低下が影響している〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スピリチュアリティ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Spirituality 」があります。 スポンサード リンク
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