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スピーヌム()は、準動詞の一種。主にラテン語の文法で使われる用語だが、他の言語の同様の機能をさすこともある。運動をあらわす動詞を修飾して「……するために」という副詞的な意味を表し、目的分詞と呼ばれることもある〔たとえば木村 (1985) p.135〕。 == ラテン語 == 「スピーヌム」とは「寄りかかるもの」という意味で、他の語を修飾するのに用いられるためにこの名がある。 ラテン語のスピーヌムは、一見すると受動完了分詞と同形のようであるが、受動完了分詞が歴史的に接尾辞 -to のついた形である(したがって第一・第二変化の形容詞として変化する)のに対し、スピーヌムは抽象名詞を作る接尾辞 -tu がついた形であり〔Palmer (1954) pp.324-325〕、第四変化に従う。ただし、実際に使われる形は対格の -tum と与格または奪格の -tū の2形だけである。前者を第一スピーヌム、後者を第二スピーヌムと呼ぶことがある。 -tum で終わる形は、運動をあらわす動詞を修飾して、その運動の目的を示す。 * ''venatum'' ire (狩りに行く) * ''salutatum'' venit (彼はあいさつに来た) -tū で終わる形は、評価をあらわす形容詞を修飾して、「……するについて」という意味を表す。 * incredibile ''dictu'' (言うのも信じられない) 古典ラテン語では以上のように限定的な表現でのみ用いられるが、それ以前の古ラテン語(プラウトゥスなど)には、これ以外の形も用いられた〔高津 (1954) p.179〕〔。 -tum で終わる形に eo(行く)の受動態不定法である iri を組み合わせたものを受動態未来の不定法(「……されようとすること」)の代わりに用いることもあったが、あまり多く用いられる形式ではなかった〔。 ラテン語のほとんどの動詞は、現在形・不定法のほかに、完了と受動完了分詞の形を知れば、あとは規則的にすべての活用形を導きだすことができるが、一部の辞書では受動完了分詞のかわりにスピーヌムを示すことがある。例えば venio (来る)の見出しは、 のように示される。これは自動詞に受動完了分詞がないためである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スピーヌム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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