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スラムツーリズム (Slum tourism) は、貧困地区の訪問を伴う観光の一種でインド、ブラジル、ケニア、インドネシアのような幾つかの発展途上国において増えている。 このような種類の観光はビクトリア朝時代にロンドンの貧しい人々が住む地区を対象に始まった。淑女・紳士達がイーストエンドを訪れ、貧しい人々の生活を観察した。慈善の意図を持った人もいれば、現地で売春婦を誘うために行く人もいた。〔Is slum tourism ethical? BBC News - Fast Track〕 1884年にはマンハッタンでも "slumming" が行われた。 ==歴史== オックスフォード英語辞典に "slumming" という単語が最初に収録されたのは1884年に遡る。ロンドンでは人々が近郊にあるホワイトチャペルやショーディッチ(en)などのスラム地区を訪問し、このような状況での人々の生活を観察した。ニューヨーク市では1884年までに裕福な人々が近隣の貧しい移民の地域であるロウアー・イースト・サイドのバワリーやファイブポインツ(en)地区を訪れ「貧しい人々がどのような生活をしているのか」(en)を見に行くようになった。 1980年代の南アフリカ共和国では、黒人の住民は地方自治体の白人に黒人がどのような暮らしをしているかを教えるために「非白人居住地域ツアー」を開催した。このようなツアーはアパルトヘイトについて詳しく学びたいと願っている国外からの観光客を集めた。〔Dondolo, L., 2002. ''The Construction of Public History and Tourism Destinations in Cape Town's Townships: A Study of Routes, Sites and Heritage'', Cape Town: University of the Western Cape〕 1990年代半ばに、スラム街として知られる発展途上国の中で最も恵まれない地域を目的地とした国際的なツアーが頻繁に施行されるようになった。このようなツアーは人気が高く、しばしば専門の旅行社によって宣伝・運営されている。例えば、南アフリカ共和国のケープタウン では、毎年30万余の観光客がスラム街を見るために都市を訪れる。 〔Manfred Rolfes, “Poverty tourism: theoretical reflections and empirical findings regarding an extraordinary form of tourism,” in ''GeoJournal,'' (Springer Science and Business Media, 26 September 2009), 421.〕 2008年に映画『スラムドッグ$ミリオネア』が封切りされるよりも前からムンバイはスラムツーリズムの目的地であった。〔 2010年12月にスラム観光に関する最初の国際会議がイギリスのブリストルで開催された。〔"Destination Slum" 〕 スラム街の観光の概念は最近、メディアや学界からより多くの注目を集め始めている。スラムツーリズムで働くまたは関わりを持つ人々のためのソーシャルネットワークが設立されている。〔"Slumtourism.net - Network for people working in or with slum tourism" 〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スラムツーリズム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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