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セイヨウナナカマド
セイヨウナナカマド(西洋七竈、英名:Rowan, Mountain ash、学名:''Sorbus aucuparia'')はナナカマド属に属するヨーロッパ原産の落葉樹である。ヨーロッパの中部から西部の広い範囲に分布し、その生息域は北極圏にも達する。生息域の南部である地中海地方では山地の高いところでのみ見られる。〔Rushforth, K. (1999). ''Trees of Britain and Europe''. Collins ISBN 0-00-220013-9.〕〔Den Virtuella Floran: ''Sorbus aucuparia'' map 〕〔『世界有用植物事典』1989年、平凡社、997頁、ISBN 4-582-11505-5〕 英名Rowanは北欧の言葉で魔除けを意味するRunaに由来する。北欧神話によれば雷神トールが増水した河を渡るとき、このナナカマドに助けられたとされる。スコットランドではwiggen treeとも呼ばれ、魔術的な物を避けるお守りとして神聖視されていた。船の一部としてセイヨウナナカマドから切り出した板を嵌めこみ水難避けのお守りにしたという。〔〔"Witchcraft: The Mountain Ash" , in ''The Table Book; or, Everlasting Calendar of Popular Amusements, Sports, Pastimes, Ceremonies, Manners, Customs, and Events, Each of the Three Hundred and Sixty-Five Days, in Past and Present Times; Forming a Complete History of the Year, Months, and Seasons, and a Perpetual Key to the Almanac, Including Accounts of the Weather, Rules for Health and Conduct, Remarkable and Important Anecdotes, Facts, and Notices, in Chronology, Antiquities, Topography, Biography, Natural History, Art, Science, and General Literature; Derived from the Most Authentic Sources, and Valuable Original Communication, with Poetical Elucidations, for Daily Use and Diversion. Vol I.'', ed. William Hone, (London: 1827) p 337.〕〔"The Mountain Ash, or Wicken or Wiggen Tree" , in Lancashire Folk-lore: Illustrative of the Superstitious Beliefs and Practices, Local Customs and Usages of the People of the County Palatine'', edited by John Harland and T. T. Wilkinson, (London: 1867) p 72-74.〕またもう一つの英名Mountain Ashはセイヨウナナカマドの葉が一見トネリコ属(ash tree)の葉と似ていることからきている。セイヨウナナカマドとトネリコ属は近縁ではない。〔Vedel, H., & Lange, J. (1960). Trees and Bushes in Wood and Hedgerow. Methuen & Co Ltd.〕〔Arkive: Rowan (''Sorbus aucuparia'') 〕 == 形態 ==
落葉性の中低木で、成長すると8~10メートル程になることが多い。まれに20メートルを超える。大きく成長し28メートルに達する個体もある。〔Tree Register of the British Isles〕樹皮はなめらかで、若木は銀灰色をしている。樹齢を重ねると薄い灰褐色になり、時にはひび割れする。新芽は緑色で細かい毛に覆われているが、次第に灰褐色になり毛もなくなる。つぼみは細かい毛に覆われており、紫茶色で目立つ。葉は長さ10~22センチメートル、幅6~12センチメートル。9~19枚(多くは13~15枚)の小葉が羽状複葉を形成している。小葉1つの長さは3~7センチメートル、幅は15~23ミリメートル。葉の縁は粗い鋸歯状。葉には細かい毛が生えているところがあり、とりわけ葉柄と葉裏の葉脈に生えていることが多い。枝の末端に、最大で250個ほどの花が、直径8~15センチメートルの散房花序を形成する。1つ1つの花は1センチメートルほどで、5つの乳白色の花弁をもつ。両性花で昆虫によって受粉される。果実はナシ状果で直径6~9ミリメートル(稀に14ミリメートルに達する)で、最初は緑色だが、夏になり成熟するにつれて鮮やかな赤色になる。果実は中は最大8つ(多くは2つ)の種がある。二倍体で、染色体数は2n=24。〔〔Trees for Life Species Profile: Rowan 〕〔Flora of NW Europe: ''Sorbus aucuparia'' 〕
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「セイヨウナナカマド」の詳細全文を読む
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