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セクションの書法(せくしょんのしょほう)''sectional writing'' とは、2つ以上の楽器群をまとまりのあるセクションとして使用し、和声的な厚みを持ったメロディを創り出す和声法である。クラシック音楽、ビッグバンド編成のスウィング・ジャズ、ポピュラー音楽でしばしば用いられる。 == 概要 == この和声法では、主旋律の下声部に主旋律をハーモニーでサポートする声部を1つ以上配置する。このような和声付けをセクションの和声付け ''sectional harmonization'' と言い、そのようにしてできた和声をセクショナル・ハーモニー ''sectional harmony'' と言う。セクショナル・ハーモニーは譜例のような構造を持つ。 譜例の説明は次の通り: * Lead part: リード・パート。主旋律を担当する。 * Support part: サポート・パート。主旋律をハーモニーでサポートする声部。下声部とも。 * Bottom part: ボトム・パート。セクションの最低音を担当する声部。 * Outer voce: 外声。セクションの最高音および最低音を担当する2つの声部を外声と言う。 * Inner voice: 内声。2つの外声に挟まれた中間音域を担当する声部を内声と言う。 ※ 2声のセクショナル・ハーモニーに内声は存在しない。4声以上のハーモニーでは内声の数は複数となる。「声部」、「外声」、「3声の」等と表現するが、歌声のみに限定されず、歌でも楽器でも旋律であればこれらの表現の対象となる。 セクショナル・ハーモニゼーションでは、下声部の旋律的な動きを必ずしも考慮しなくてもよい。この点において声部の書法 ''part writing'' の理論と相反する〔。下声部が主旋律と同じリズムで進行する(1音符 : 1音符)ほど、よりセクショナルな雰囲気が生み出せる。 和声付けされる主旋律のことをリード・ラインまたはリード・パート、あるいは単にリードと言い、下声部に置かれる1つ以上の個々の旋律をサポート・ラインまたはサポート・パートと言う。 楽器の音量や音色のバランスを考慮すればサポート・ラインをリードの上声に置くこともできるし、しばしば行われるが、ここでは下声部でサポートする場合を説明する。 セクショナル・ハーモニゼーションは、さまざまな楽器の組み合わせによるセクションにも適用できるが、似た音色の楽器によるセクションに適用するときに最もよい効果が得られる〔。 セクショナル・ハーモニーそれ自体では和声として完成しないため、ベース(バス)による伴奏を必要とする。そのため、本稿ではセクショナル・ハーモニーの譜例にベースも示す。ただし、3声以上のセクションではボトム・パートにベース的な性格を持たせることができ、うまくバランスが取れれば必ずしも伴奏は必要ではない(これに関して本稿では#独立性を持つ最下声部でバリトン・サックスによるベース・ラインの一例を示したのみである)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「セクションの書法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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